Q 教員免許更新制度廃止へ…弁護士も医師も終身制なのに、どうしてそもそも教員だけ?

 10年ごとに教員免許の更新が必要な「教員免許更新制」について、文部科学省は教員の働き方や経済面の負担を理由に、廃止する方針を固めました。

 いまさらな疑問なのですが、「医師」や「弁護士」など一度とったらずっと残る国家資格は他に多くあるにもかかわらず、なぜ教員だけ更新制度が導入されていたのでしょうか。(10代・女性・学生)

教育再生会議で当時の安倍晋三首相(左端)に教員免許更新制導入などを訴えた教育再生会議の第1次報告を手渡す野依良治座長(2007年1月24日撮影) ©️時事通信社

A 免許更新研修を受けてほしいという声はあるのですが…

 当然の疑問ですね。何十年も前に医師免許を取得した高齢のお医者さんの中には、最新の医療情報を得ていない人もいます。弁護士の中にも、最新の法改正についていけていない人もいるでしょう。

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 そうした人たちにも免許更新研修を受けてほしいという声はあるのですが、要は政治力の違いです。日本医師会や日本弁護士連合会は政治的に大きな力を持っています。とりわけ日本医師会は、自民党の有力支援団体。医師会や弁護士会が免許更新制を受け入れてくれないから実現しないのです。

免許更新は教員以外にも求められているが……  ©️iStock.com

 その点、教員組合は、いまでこそ力が落ちましたが、かつては自民党にとって敵対的な組織がほとんどでした。自民党としては支持母体や政治的影響力を考慮することなく、教員免許更新制に踏み切れたのです。

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