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日本の民主主義は「コンセンサスのミス」を修正できるか

 じゃあ政治家の政策に関われるスピードを速くすればいいんじゃないかとか、年度をまたぐような大きい事業予算については単年度ではなく複数年度でやれやみたいな議論はもちろん出ます。でも、高度に複雑となり利害関係が交錯する現代日本において、国民からの負託を受けて利益を代弁する代議士を選出するのが4年に一度で本当にいいのかとか、解散が決まってからすぐ公示となって2週間程度の選挙戦で政策は本当に浸透するのかとか、そもそもいま日本が小選挙区制を取り二大政党制を目指す仕組みのままでこういう「コンセンサスのミス」を修正できるのかと言われると泣けるほど微妙です。たぶん、みんな「うまくいってないよな」と思うのではないでしょうか。

先だっての民主党党首選での前原誠司さんと、枝野幸男さん ©杉山秀樹/文藝春秋

 これだけ技術が進展し、マイナンバーも普及して民間も行政もデータを利活用しようというところで、政治産業だけが旧態依然とした数年に一度の選挙で物事を決めていく方法に依存していては、改革が遅れたり不要不急なロビーで有効な政策を進められないという事例が頻発するでしょう。生産性の向上が必要と叫ばれる割には、国家の舵取りをどのようにするかという仕組みだけが明治維新の頃から参政権の拡大ぐらいしか進んでいないというのは悩ましいものです。

有権者から見えないものが国家の意志になってしまう

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 昨今叫ばれるクオータ制で国会議員の男女比率を強引に半々にするのだといっても、それも憲法違反の疑いは強いでしょうし、そもそも一票の格差も是正されつつあるとは言えいまなお2倍近い状態でこれからも地方の人口減少に合わせて議席数も変動させていくことが必要でしょう。でも、そういう微修正を繰り返すぐらいならば、いっそ政策ごとに1年から2年程度の見直しを提案し、国会議員が電子投票しながら新法や法改正の議論がガラス張りになる方法はないのだろうかとか、重要な政策ごとに自由民主党でも立憲民主党でも他の政党でも党議拘束されることなく自由に意見ができるというような仕組みができないものなのか、と思うわけですよ。だって自民党内にも保守もリベラルもいて、必ずしも一枚岩ではない状況の中で、自民党全体の政策を固めて各議員がそれに従う仕組みである以上、自民党と公明党が全議席の3分の2を占めている現状では党としての方針というイマイチ有権者から見えないものが国家の意志になってしまうことだってあり得るわけです。もちろん、そういう自民党を国民が支持し、安倍政権に力を与えたのだからそうならざるを得ないのだ、というのは当然なのですが。