本稿は6月25日に行われた「マスコミ倫理懇談会全国協議会」における毎日新聞編集委員・江森敬治氏の講演「眞子さま結婚問題が国民に問いかけるもの——その課題と展望」の内容をもとに一部加筆を行ったものです。
「眞子さまの婚約内定の経緯と現状、そして今後は?」
「『早く皇室を出たい』。眞子様の窮屈な日常」
「皇位継承問題の行方。女性・女系天皇実現の可能性はあるのか」
「令和皇室はどうあるべきか」
といった、令和の皇室が抱える“宿題”について、宮内庁担当記者を務め、秋篠宮さまとの親交も深い江森氏が、わかりやすく問題提起したものです。(全2回の2回目/前編を読む)
◆
眞子さまにとって「結婚は目的ではない」?
「それは、早く皇室を出たいのですよ。そうに決まっています」
事情をよく知る関係者が私に、さも当然のことのように話してくれました。私はひらめきました。眞子さまにとって、結婚は目的ではないのだと、思い当りました。一般国民と同じような自由な生活を手に入れることが究極の目的なのではないか。要するに眞子さまは、早く皇室を出たいのだ。窮屈な皇室生活から抜け出したい。そのための手段として、結婚をあんなにも急いでいるのではないか、と考えるようになりました。
もちろん、これはあくまでも仮説です。
しかし、今のところ、この考えを打ち消すものは見当たりません。そうでないと、あれほど聡明で冷静な彼女が、このような難しい状況に置かれてしまった理由の説明がつかないように思えます。もちろん、本当のところは、眞子さま自身に確かめるしかありませんが。
普通の「恋愛の自由」を味わうことは難しい
具体的な話をしたいと思います。眞子さまには「参政権」がありません。だから、生まれてから一度も国政選挙などで、投票所に足を運んだことはありません。憲法が国民に保障する「居住、移転、外国居住などの自由」も制限されています。
眞子さまの恋愛だって窮屈です。外出すれば、彼女の動静はマスコミなどから監視されます。どこに行くにも警備担当者が付きます。彼女の恋愛は、一般女性と比べ、かなり制約されたものだと思います。普通の女性のような恋愛の自由を味わうことは難しいでしょう。