本稿は6月25日に行われた「マスコミ倫理懇談会全国協議会」における毎日新聞編集委員・江森敬治氏の講演「眞子さま結婚問題が国民に問いかけるもの——その課題と展望」の内容をもとに一部加筆を行ったものです。
「眞子さまの婚約内定の経緯と現状、そして今後は?」
「『早く皇室を出たい』。眞子様の窮屈な日常」
「皇位継承問題の行方。女性・女系天皇実現の可能性はあるのか」
「令和皇室はどうあるべきか」
といった、令和の皇室が抱える“宿題”について、宮内庁担当記者を務め、秋篠宮さまとの親交も深い江森氏が、わかりやすく問題提起したものです。(全2回の1回目/後編を読む)
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着地点がいまだ見つからない「眞子さまご結婚問題」
秋篠宮家の長女、眞子さまの結婚問題。今や国民の大きな関心事となっております。しかし、依然として混迷が続き、着地点は、いまだ見つかっておりません。先日、相手の小室圭さんがA4判28ページもの長い文書を公表しました。が、かえって、国民の多くが反発。マスコミからも批判を受け、ますます混迷が深まった感じです。
今日のテーマは「眞子さま結婚問題が国民に問いかけるもの——その課題と展望」です。
18年2月6日に宮内庁が2人の結婚延期を発表して、今年2月で丸3年が過ぎました。もちろん、2人の結婚の行方も気になりますが、本日は、その背景にある諸課題をより深く、より大きな視点で検討してみたいと思います。
まず、最初にお断りしておきたいと思います。これからお話しすることは、一つの問題提起と受け止めていただきたい、ということです。私の意見を踏み台にして、象徴天皇制や皇室の在り方などについて、これからどしどし議論を深めていただければ、大変、うれしく思います。本日の講演は、あくまで江森のつたない仮説であると考えて、お付き合いいただければと思います。
「結局のところ、この問題は、眞子さま問題なのだな」
ある関係者が、しみじみとこう語っていました。「結局のところ、この問題は、眞子さま問題なのだな」と。そうなのです、皆さん。小室圭さんの母親の金銭トラブルが結婚をこじらせていますが、主役はあくまでも秋篠宮眞子内親王殿下なのです。眞子さまの迷走が国民をハラハラドキドキさせ、落胆させ、それでもなんとか国民は希望をつないでいる、ということなのではないでしょうか。この問題は、眞子内親王に始まり、眞子内親王に終わる。最後は眞子さまの腹一つで決まる。というか、眞子さまの気持ち次第で決着する話だ、と私は見ています。
秋篠宮夫妻はより静かな環境になることを願いながら、「鳴くまで待とうホトトギス」の心境ではないでしょうか。「眞子さま劇場」と呼んでいいかもしれません。
では、それはなぜなのでしょうか?