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秋篠宮夫妻は「鳴くまで待とうホトトギス」の心境か 眞子さま結婚問題が示した“令和皇室の宿題”

江森敬治氏講演 #1

2021/07/18

source : 文藝春秋

genre : 社会

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 91年2月、秋篠宮夫妻は友人たちとのプライベートな旅行を楽しむために、京都を訪れたようでした。私的旅行とはいえ、秋篠宮夫妻は天皇陵も参拝しました。

 初対面にもかかわらず少し失礼かな、と思いながら、これも新聞記者のサガと申しますか私は、子供の予定を訊ねてみました。しかし、夫妻にやんわりはぐらかされてしまいました。

 この年の秋、91年10月23日に眞子さまが誕生しました。眞子さまの誕生を、私は社会部の宮内庁担当記者として取材したのですが、ということは、もしかしたら、紀子さまは懐妊していて、京都で私は眞子さまともお会いしていたのかもしれません。どうでしょうか? 私たち夫婦は生まれる前から、眞子さまとお会いしていた可能性があります。日頃、私はこの結婚問題を考える時、どうしても親目線で眞子さまを見てしまいます。あるいは、それも無理がないことかもしれません。

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2018年11月、秋篠宮さまお誕生日に際してのご近影(宮内庁提供)

秋篠宮さまはずっと「金銭トラブルの解決」を求めている

 ここで結婚問題の経緯を振り返ってみたいと思います。眞子さまと小室圭さんとの婚約が内定したのは2017年9月ですから、今年9月で4年になります。17年末に小室さんの母親と元婚約者の間に約400万円の金銭トラブルがあったと女性週刊誌で報じられました。18年2月6日に宮内庁が2人の結婚延期を発表しました。秋篠宮さまは、18年11月の誕生日会見で、「これは、2人にも私は伝えましたが、やはり、今いろんなところで話題になっていること、これについてはきちんと整理をして問題をクリアするということ(が必要)になるかもしれません。そしてそれとともに、やはり多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況、そういう状況にならなければ、私たちは、いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」という、異例ともいえる発言をしました。つまり、秋篠宮さまは、小室さん親子にずっと金銭トラブルの解決を求めているわけです。

2018年11月、記者会見で納采の儀を「行うことはできません」と仰った秋篠宮さま(宮内庁提供)

 しかし、小室さんたちはこの要求に素直に応えず、長年にわたり放置してきました。小室さんの誠意のない態度や対応が秋篠宮さま、そして今や多くの国民たちを硬化させてしまいました。それが混迷する結婚問題の大きな要因の一つとなったといっていいと思います。そして、今は「結婚は難しい」状況になっています。また、秋篠宮さまが、18年11月の誕生日会見で語った「多くの人が納得し喜んでくれる状況にならなければ、婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできない」という秋篠宮さまの考え方や姿勢は、現在に至るまで一貫しております。

 ここで注目していただきたいのは、「これは、2人にも私は伝えましたが」という冒頭部分です。サラッと話されているので、素通りしてしまいがちですが、ここには重要な事実が顔をのぞかせています。

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