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秋篠宮夫妻は「鳴くまで待とうホトトギス」の心境か 眞子さま結婚問題が示した“令和皇室の宿題”

江森敬治氏講演 #1

2021/07/18

source : 文藝春秋

genre : 社会

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朝日新聞スクープが示した「秋篠宮さまの考え」

 18年8月7日、小室圭さんは、3年間の予定でアメリカ留学に出発しました。翌日8日の朝日新聞に「納采の儀 現状では行えない」という見出しの記事が掲載されました。この中に次のような記述があります。「秋篠宮さまと紀子さまは今年に入り、宮邸で、小室さんや、母親と面会の際、繰り返しこうした考えを伝えたという。眞子さまも同席していたという」という内容です。

朝日新聞2018年8月8日付け

 文中にある「こうした考え」というのは、「現在のままでは(皇族の正式な婚約にあたる)納采の儀は行えない」という秋篠宮ご夫妻の考えであると、記事は説明しています。

「これは、2人にも私は伝えましたが」という秋篠宮さまの発言にある、2人というのは、もちろん眞子さまと小室圭さんのことです。時期は、2人の結婚の延期が発表された18年2月以降ということになります。秋篠宮さまは、宮邸に小室圭さんや母親を呼んで、母親と母親の元婚約者との間の金銭トラブルについての解決を、直接、求めたのです。

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 このことは、とても重要です。しかし、小室さんは「あのお金はもらったもので、返す必要はないものだ」という、主張を繰り返しました。

 仮定の話ですが、一般的に考えて、ある男性が、眞子さまと結婚したいと考える。そこに男性の母親のトラブルが明らかとなった。当然ながら、週刊誌などはいろいろと報道する。眞子さまの両親も困る。皇室は、こうしたトラブルを極力、嫌いますから。それで、眞子さまの両親は、男性と母親を呼びつけて、直接、直接にですよ、早急にトラブルを解決することを本人に求めたとします。

最優先でトラブル処理にあたらなかった小室さん

 社会人としての常識的な対応なら、最優先で、トラブルの処理にあたると思います。宮様からじきじきに要求されたのですから。私が小室さんの立場だったら土下座をして、まず、「大変申し訳ございません」と、お詫びをします。すぐさまトラブルの相手と会って、速やかな和解を目指します。これが常識ある対応の仕方だと思います。

 しかし、小室さんは違いました。それをしなかったのです。そればかりか、3年間の予定でアメリカ留学してしまいました。

 このように、「多くの人が納得し喜んでくれる状況にならなければ、婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできない」と、秋篠宮さまから、小室さんが申し渡されたのは、18年11月の宮様会見が、初めてではありません。留学前、18年の早い時期に、宮様から直接、言われていたのです。日本にいたのですから、やろうと思えば、小室さんは金銭トラブルを早期に解決できたかもしれません。

婚約内定会見の小室圭さん ©JMPA

 それを、結果として無視した形で小室さんはアメリカに行ってしまったわけです。もしも、金銭トラブルを解決して小室さんがアメリカ留学していたならば、今のような混乱した状態にはならなかったように思います。あるいは、すんなり、結婚できたかもしれません。