——綾乃美花から本名の田原可南子でやっていくようになったら、だいぶ気持ちが楽になったのではないですか。
田原 すっごく楽になりました。「誰?」みたいだったのが「私!」っていう感じになって。どこにいても居心地が悪いということがないし、喋りやすくなったというか。芸名というスイッチが必要な人もいるかもしれないけど、私はありのままでいたいタイプなので。
何度も起きている“カフェ事件”
——『ダウンタウンDX』(2019年10月3日放送)に出演された際、お父様がカフェで女性と楽しそうにお茶を飲んでいるのを目撃したとおっしゃっています。少し前の「婦人公論.jp」(2021年6月15日配信)では、お父様が《この間なんて、女の子とカフェでデートしていたらバーンと突然肩を叩かれた。びっくりして顔を上げたら、次女が「パパ、何してるの?」って》と話してます。姉妹別々でそういう場面に出くわしているようですが、こういうことは多いのですか?
田原 『ダウンタウンDX』の話はほんとです。私、バッチリ見ましたから。「婦人公論」のカフェ事件は謎なんですよ。それ、母からも「肩を叩いたのってカナじゃないの? 婦人公論で言ってたけど?」と聞かれたけど、「いや、妹じゃない?」って答えていたんですよ。
父の作り話かなとも思ったけど、カフェ事件はすべてが公になってないだけで何回もある。だから、妹が目撃したのは充分ありえます。「婦人公論」のカフェ事件が、どの回を指しているのかわからないくらい。ヤバいですよ、ほんと(笑)。
——田原俊彦としての見得を切るみたいな感じなのでしょうかね。
田原 たぶん。トシとしてのディナーやお茶に美女は付き物っていう、周囲が抱くイメージが常にセットされているんですよ。
『FRIDAY』とかにいろいろ撮られて父と母がピリッとした時期もあったけど、5、6年経って母も「もういいのよ」「パパは追いかけ回されてきて大変だったの。いまはもう好きなようにやらせてあげましょう」と言っています。「ほう~、これが妻か」とか思ったり(笑)。「パパって子どもだな」とか思うし、いろいろあるんですけど好きにやってくださいって感じですね。
——ご両親を比べるのは失礼ですが、お母様のほうが大変そうだなと思いますか?
田原 絶対に大変ですね。お母さん、ほんとに優しいんですよ。私と一緒で、贅沢させてもらっていないんですよ。旅行に毎年連れて行ってもらえるとかまったくないし。とりあえず、誕生日プレゼントだけは買ってもらえるみたいな。それでも何十年もわがままひとつ言わずに、よく我慢してきたなって思います(笑)。
父のせいで、「ついてこい」系の男性に慣らされてしまった
——お父様は亭主関白なところがあると公言されていたと思うのですが、可南子さんに「女の子らしくしなさい」とか口を出してくることなどはありましたか。
田原 ないです。亭主関白であることは事実なんですけど、私に何か言ってきたりとかはなかったです。
ただ、父を見ているうちにそれが当たり前と思って育ってしまったかもしれない。っていうのも、父は「ついてこい」系なんですよ。急に腕をガッとかやって、どこかへ連れて行こうとしたりして。「何するの? どこ行くの?」みたいにソワソワするけど、絶対に楽しいんだろうなっていう確信がこっちにはある、みたいな。