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——それは賛否が分かれるところですね。 

田原 嫌な人もいるじゃないですか。でも、そういう環境で育っちゃって、好きになっちゃっているんで。それが亭主関白にあたるのかはわからないんですけど、キュンとくるようになっちゃいました。

 でも、そうした感覚があるし、父には信頼感もあるんだけど、「絶対こんな人は嫌だ。パパみたいな人は嫌だ」って思う時もあって、ずっと葛藤があります。母以外の女性とデートばっかりしている父は嫌ですね。 

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——信頼感というのは具体的に言うと……。 

田原 ぜんぜんアドバイスされたことないけど、忘れられない一言があって。私は父から「カンちゃん」って呼ばれているんですけど、「カンちゃんは、パパの子だから大丈夫だよ!」って言われたことがあるんです。その一言が、私のなかでキラキラキラキラ~と輝き続けているんですよ。なにも根拠がない言葉ですけど、「あ、大丈夫だ」みたいなのが常にあって。 

 

 それが活きているのかわからないけど、前にものまねの番組に出た時に、大きなステージに立って、大勢の人の前で歌うことに心が折れそうになったんですけど「でも、カナはパパの子だから大丈夫だ」って頭にシュッとよぎって。そういう時がたまにあります。緊張しても「カナは大丈夫だ」みたいな。 

アイドル・田原俊彦として、一生を遂げようとしているけど

——『徹子の部屋』(2019年6月20日放送)で、お父様は「父親として70点」と自己採点されています。娘さんからすると、この点数って妥当でしょうか。 

田原 それくらいかな(笑)。足りない30点というわけではないけど、私はもっと構ってほしい。

 父はアイドルの田原俊彦として、一生を遂げようとしているんですよ。そういう確固たるポリシーがあるのがわかっているから、仕事でも私とは絡まないし、共演も一切NGになっていて、私のほうも「そういうもの」と細胞レベルで染み込んじゃっている。 

 たまにマネージャーから「お父さんに共演してって言ってよ」とか頼まれるけど、「そんなの頼めない。絶対にダメだもん」って、どこか父の信条を思い込まされているみたいなところがあるんです。

 でも、私としてはプライベートも含めて、そろそろパパとしての田原俊彦を出してほしいなっていう。いまは一緒に住んでいないから、ご飯とかでも頻繁に会いたいし、特に仕事のほうでは親子共演がしたい。私は田原俊彦の子供だし、田原俊彦は私のパパなんだからいいじゃん、っていう気持ち。ちょっと叶うかどうか、わからないんですけど。もはや、お願いに近いですね。 

 

 さっき、質問で“平凡な家に生まれ育った僕ら”とおっしゃっていたじゃないですか。それを言われると、すごいさみしくなるんです。パパが田原俊彦なだけで、うちもそうなんだけどなーって。 

撮影=橋本篤/文藝春秋

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