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特集観る将棋、読む将棋

2021/07/17

今は最初の頃の漫画は見たくないですね

――でもそうではなかったと。

伊奈 私の場合、美大といっても通信制なので誰でも入れるんですよ。絵が描けなくても入れる。私は、美大に入る前に絵を描いたことがまったくなかったですから。

――では、なぜ美大に入ろうと思ったんですか?

伊奈 家から近かったからです。

――そうなんですか(笑)。

 

伊奈 20歳のときに通信制の高校に入って、その途中で子どもを生んで入学4年後に卒業しました。それから大学に行きたいと思ったんですが、選択肢が少ないんですよ。

――子育て中だからですか?

伊奈 そうです。保育施設があって、家から自転車で通える距離で探すと、私が通った武蔵野美術大学くらいしかなかったんです。

――では、絵が得意だからではなく、家から近くて保育施設があることで選んだので、絵が描けるわけではないと。

伊奈 そうなんです。

――では、その編集者の「漫画くらいは描けるだろう」というあては外れたということになりますが、実際に連載は始まったわけですよね。これはそこから練習をされたのですか。

伊奈 そうですね。それから1年弱くらいですね。絵の描き方とか、話の作り方を練習しました。それで連載が始まったのですが、今は最初の頃の漫画は見たくないですね。

――そうなんですか(笑)。でも、ちゃんと漫画になっているじゃないですか。

伊奈 いやあ、見たくないですよ。

――どういうところが?

伊奈 全部ですね(笑)。

 

『将棋の渡辺くん』の1巻にも《最初の頃に描いたの読むのほんと恥ずかしい……》というコマがある。単なる一読者としては、それほど気にならないような感じもするが、ご本人は気にしているようだ。

 こうして2013年から『将棋の渡辺くん』の連載が講談社から発行されている『別冊少年マガジン』で始まった。インタビューの後編では、その内容について聞いていきたい。

(撮影:鈴木七絵/文藝春秋)

将棋の渡辺くん(1) (ワイドKC)

伊奈 めぐみ

講談社

2015年12月9日 発売

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