文春オンライン

2021/07/21

 しかも、独島(日本名・竹島)を巡る領土問題や福島の汚染水放出への抗議などの政治・外交的問題が、来年の大統領選挙の影響もあって必要以上に大きく取り上げられた。せっかく開催することになったのですから、無事に競技を進めてもらって、韓国選手がメダルを獲得していけば無関心な雰囲気も少しはかわるのではないかと期待しているのですが」

目玉はサッカー、野球、バレーの日韓ライバル対決

 韓国代表の選手団は232名。関係者やメディアも含めると総勢500名ほど。7月13日に第一陣のヨット代表チームが日本に入国し、その後五月雨式に日本入りしており、19日には韓国でもっともメダルが期待されるアーチェリーの代表チームが日本に入国した。アーチェリーは2016年のリオ夏季オリンピックでは全種目で金メダルを獲得している。日本での競技会場が「夢の島公園」なことから、海岸が近い釜山で訓練を行ったと伝えられた。

 他にメダルに期待がかかっているのは、十八番のテコンドー、射撃、フェンシング、2016年リオで金メダルを逸し「雪辱戦」といわれる柔道、世界ランキング1位、2位、4位の選手が出場することになった女子ゴルフだ。

 そして、オリンピックの目玉として日韓のライバル対決がメディアで取り上げられている。

 サッカーでは、2001年生まれの共に20歳、幼い頃「サッカーの神童」と呼ばれ、欧州で活躍する日本の久保建英選手と韓国のイ・ガンイン選手。野球では、プロ入りした時期も同じで強打者として知られる日本の村上宗隆選手(21歳)とカン・べクホ選手(21歳)。バレーボールでは、韓国のスーパースター、キム・ヨンギョン選手(33歳)と日本の石川真佑選手(21歳)がライバル対決とされている。石川選手は韓国では「バレーの天才」と呼ばれている。

石川真佑選手 ©時事通信社
キム・ヨンギョン選手 ©時事通信社

 オリンピック関連マネーも動いている。韓国大手のIT企業で、日本ではLINEでお馴染みの「NAVER」がオリンピック中継権契約を持つ地上波3波(KBS、SBS、MBC)とオンライン中継権を結んだ。韓国初のオンライン中継となる。

 もともとは流通大手の「Coupang」が自社のOTT(Amazonプライム、Netflixなどインターネットを介して行われる動画やSNSなどのストリーミングサービス)での独占契約を結んでいたが、「視聴者の普遍的な視聴権を侵害する」と問題視され、契約を撤回した。ちなみに中継権料は「Coupang」は400億~500億ウォン(約38億~47億円)規模を支払ったとされ、NAVERの中継権料はこの価格よりは低いだろうと囁かれている。

福島産の食材を使わない弁当も話題に

 そして、日本でも報じられた通り、韓国代表選手に福島産の食材を使わない弁当が供給されるというニュースも静かな話題になった。

 大韓体育会は、選手村から車で20分ほどのところにある千葉県・舞浜の「変なホテル」を大会期間中まるごと借り切ったそうで、ここに持ち込める限りの韓国の食材と福島産ではない日本の他地方から食材を調達し、毎日弁当を量産して選手村に届ける計画だという。韓国から調理士や栄養士などのスタッフも派遣された。