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セックスでエクスタシーを感じてみたかった

 長谷川瞳には、もうひとつAVに出たいと思った理由があった。

「イッてみたかったんです。セックスでエクスタシーを感じてみたかった」

 小学生の頃から、父親の漫画を読んで知った「凄い果てしない快感」を体験したいと思っていた。セックスの快感に対する興味はもともと強かった。

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©️iStock.com

「快感に対しては、貪欲過ぎるくらいに貪欲だったと思います。高校生のときから、電マを持ち歩いていたくらいですから」

 東急ハンズで購入した電動マッサージ機でのオナニーで知った快感の虜になり、それをいつもカバンのなかに忍ばせていた。

「高校のトイレでも、それでオナニーしていました。もう、暇さえあればイキたかったんですよ。彼とするときも、マッサージ機当てながら入れてみたりとかしていましたから」

 それは逆に言えば、彼とのセックスでは電動マッサージ機ほどの快感を覚えることはできなかったということを意味する。

「これはわたしのほうの問題だと思うんですけど、わたしは自分が気持ちよくなるよりも、彼に喜んでもらいたいという意識が強かったんですね。だから、彼にクンニなんかもしてもらいたくなかったんです。でも、そうすると自分はイケないじゃないですか。『彼に頑張ってもらいたくない』『気持ちよくなっていて欲しい』という気持ちがある。でもそういう気持ちがあるから、わたしが気持ちよくなりたいということとは一致しないんです。わたしは彼とのセックスではイク演技をしていました。そうすると彼は喜んでくれる。だからどんどん言い出せなくなってしまう。『本当はイッてない』なんて言えなかったんです。そのジレンマに苦しんでいた。だから、『AVだったら、男優さんだったら、イカせてもらえるんじゃないかな』という気持ちはありました」

 AVの撮影で、その望みは果たせたのだろうか?

「やっぱり男優さんは上手でしたし、気持ちよかったですよ。ちゃんとイケましたしね。そういえばAV辞めてしばらくは、『誰かに見られていると思わないと感じない』という時期もありました。AVには、見られている快感というのもあったのでしょうね。職業病みたいなものかもしれませんけど」