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ソープの奥深さを知って、覚えたやりがい

 吉原で3カ月ほど働いて、現在の川崎の店に移った。そこで、ソープ嬢としての心がけを叩き込まれることになる。

「店長に怒られました。『ソープはそんなに甘い世界じゃないんだ。今までAV女優で頑張ってきたなんてことは1回忘れろ』と言われて。泣きましたね……。ただ、ソープの世界の厳しさがわかってきたら、やりがいという部分では、AVよりもあるんじゃないかと思えてきたんです」

 店長の他にも、ソープの仕事の奥深さを教えてくれた人物がいた。

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「ソープのプレイを講習してくれた“先生”がいるんです。わたしのひとつ下の女の子なんですけど、もうプロフェッショナル中のプロフェッショナルという感じだった。わたしは彼女にソープ嬢としての極意を教えてもらいました。素直に、『凄い!』と思える人だったんです。『この人だったらお客さんは絶対に喜んでくれるだろう』『この人みたいになりたい』という気持ちに素直になれました。そこから、仕事に対する姿勢が変わりましたね」

©️iStock.com

「長谷川瞳の大ファンだったんです」というお客さん

 とはいえ、プロの男優だけを相手にしていればいいAV女優と、不特定多数の客を相手にしなければならない風俗嬢ではちがいも大きい。そこへの抵抗はなかったのだろうか。

「正直、それはありましたよね。男優さんみたいにシャワーを浴びてきてくれるわけじゃないし、お客様にはいろいろな人がいるわけです。最初こそそこに抵抗はありましたけど、今なんかはいろいろな人がいるってところに面白みを感じています」

 当初は、在籍していた事務所との契約の問題で「長谷川瞳」の名前が使えず、ただの「長谷川」という源氏名で仕事をしていたが、それでも働いていることを調べてやってくるファンも大勢いた。

「『自分は長谷川瞳の大ファンだったんです』って言ってくれるんですけど、わたしも言っちゃいけないので『それを長谷川瞳さんが聞いたらとてもお喜びになるでしょうね』って言ったり(笑)。お客様もわかってくれて話を合わせてくれました。しばらくしてから長谷川瞳と名乗れるようになったのですが、もう普通に『長谷川』としてのお客様がついている状態になっていましたね。でも、やっぱり今でも『ファンでした』と言って来店してくれるお客様もいます。ありがたいことですよね」