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川谷絵音率いるindigo la Endをベースにした小説『夜行秘密』 作者のカツセマサヒコとYOASOBI・Ayaseが感じたコロナ禍の“負の連鎖”とは

カツセマサヒコ×Ayase対談#2

note

「負の連鎖」を変えるには……

Ayase そう。すべての事象が自分に対して優しくないって思っちゃうし、その矛先が全部暴力的に自分に向いているかのように感じてしまうご時世だと思っています。だから気も立っちゃうし、誰かに優しくできなくなる。その「負の連鎖」を変えられるのは、「人に優しくするところから始めるしかないよね」という感じがしているんですよね。 

 

カツセ 今の話を聞いて反省しています……。『夜行秘密』では、まさに「負の連鎖」をそのまま書いちゃったから……次は優しい小説書きますわ(笑)。でも、僕はどちらかと言うと、明らかに過渡期で混沌としている今の世界の現状を、目に映るまま表現したかったんです。あくまでも自分の目に映っている範囲でしかないから、そこには偏見もたくさん混じるでしょうけど、そういった誰かの偏見が誰かの常識を変えたりすることが、いい意味でも悪い意味でも起き得ている時代だと思っています。『夜行秘密』を読んだ人が「これ、今の世の中そのものかもしれない」と感じたときに、それこそ人に優しくなろうとか、後悔しないように生きるにはどうしたらいいだろうかとか考えるようになったらいいなと思いながら書きました。

 

――カツセさんが書いた小説をYOASOBIで音楽にする、ということも今後はあり得そうですか? 

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Ayase それは本当に、是非いつかは!

カツセ お願いします! いつか実現したら嬉しいです。

Ayase 楽しみです。

カツセ 頑張ります。「頑張ってください」じゃなくて、「僕がまずは頑張って書きます」ってすごく思いました(笑)。

Ayase いや、僕も頑張りますよ! 

《取材・構成:矢島由佳子 撮影・鹿糠直紀(2iD)》

夜行秘密

カツセ マサヒコ

双葉社

2021年6月30日 発売

川谷絵音率いるindigo la Endをベースにした小説『夜行秘密』 作者のカツセマサヒコとYOASOBI・Ayaseが感じたコロナ禍の“負の連鎖”とは

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