「うちは一切関係ありませんので」
にこやかな表情でそう言い放つと、「わざわざお疲れ様でした」と付け足した。
「平穏に過ごしたいだけなんです」
ポストに堂々と千乃正法会と書いておきながら、一切関係ないとはどういうことなのだろうか。そう思い、質問を重ねた。
「過去のことを言ってもしょうがないので。今はみんな通(かよ)ってきています。ここで平穏に過ごしたいだけなんです」
その言葉から、現在も粛々と宗教活動は続いているが、集落の人たちとはトラブルもなく平和に過ごしていることがうかがえた。また、過去への後悔と、当時のメディアに対する不信感、そして、将来にわたって騒動は起こさないという決意のようなものを感じた。
本当はもっと多くのことが聞きたくて訪れたのだが、今はこれ以上聞くべきではないと思った。1分ほどの短いやり取りを終え、お礼を言って本拠地を後にした。
今後、何年か経ったら、また訪れてみようと思う。そして、過去について話してもらえる時が来れば、じっくりと当時の話を聞きたいと思っている。
2021年上半期 国内部門 BEST5
1位:かつての本拠地を訪ねてみると…白装束集団「パナウェーブ研究所」が18年間で激変してしまったワケ
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2位:タトゥー大流行のいま「ヤクザはどんな刺青を入れているのか?」〈暴力団幹部が解説〉
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3位:《交番で同僚と性行為》女性警察官(29)は水泳バタフライが得意でインハイ出場の過去も 兵庫県警“不倫警官”再び
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4位:“少年院でご飯を1日3食食べると初めて知った” 「普通」がわからない少女たちのリアル
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5位:少年院で聞いた「5年後、どうなっていると思う?」 非行少年たちの回答に表れた“切ない傾向”とは
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