世界的な潮流もあってか、日本でも「見た目の美しさ」を何らかの判断基準にしようとする風潮に変化が訪れている。一方で、美容整形をしたがる人がいることも、また事実だ。
藤原亜姫氏の著書『東京整形白書 あと1mm』(主婦の友社)では、美容整形をした女性たちの、これまでの思いや経験がありありと記されている。ここでは同書の一部を抜粋し、大学入学後に美容整形を行い、現在はAV女優として活動する高嶋めいみ氏のエピソードを紹介。地方から東京に上京した彼女が目にし、抱いた感情とは……。(全2回の1回目/後編を読む)
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刺激的で輝いて見えた、東京での学生生活
東京で始まった生活はそれまで知らなかった刺激の連続でした。大学は何万人も学生がいて、同じ授業で顔を合わせても名前も知らない人がほとんどで、変わったことをしても誰も咎めない都会独特の空気と雰囲気がすごく自由で心地よかったです。
受験勉強からの解放感からか、キャンパスのそこかしこが輝いて見えました。
なんとなく趣味の合いそうな女の子に話しかけ、ノートを見せ合ったり代返(編集部注:本人に代わって授業の出席で返事をすること)をしたり、ラクすることを覚えました。
あんなに声優になりたがっていたマナちゃんは地元の国立大学に進学して、私だけが東京に出てきてしまうことになっちゃって……、でも5月の連休にでも東京に遊びにおいでよって言いたくて電話したら、繋がらなかった。
「おかけになった電話番号は現在使われておりません」っていうアナウンスが聞こえてきたとき、なんで? ってすごく寂しかった。マナちゃんとのハモリは最高に気持ちよかったのに、もう一緒に歌えないんだ。教室のガラスと厨二の魂をビリビリと震わせて歌ったことを、私は忘れない。
メイド喫茶の面接へ。みんな可愛い、綺麗、垢抜けている!
6月、大学生活にも慣れたしそろそろ夢を叶えようと思ってメイド喫茶に面接に行ったんです。
そして、そこで初めて現実を知るわけですよ。
みんなテレビで観るより滅茶苦茶可愛かったんです。小顔で手足も細くて、メイクもナチュラルに見えて実はすごい作り込まれてテクニカルだし、ファンデを塗ってるのに肌なんか透き通ってて。
人形みたいにちんまりとした小鼻に細い鼻すじ、くっきりとした二重まぶた。うぶ毛もつるつるに処理されてるし、つけまつ毛をつけている人たちを初めて見ました。みんな自分のプロデュースがうまくて隙がない。とにかく綺麗で垢抜けてるんです。