気持ちの余裕をつくるためにお金を稼ぎ、美容整形によって手に入れた“まともな顔”に満足し、憧れだった地下アイドルとして活動を始める……。現在AV女優として活動する高嶋めいみ氏は、かつてそのような日々を送っていたという。
そんな彼女を含め、美容整形によって自身の人生を切り開こうとした4名の女性たちのエピソードをまとめた藤原亜姫氏による著書が『東京整形白書 あと1mm』(主婦の友社)だ。ここでは同書の一部を抜粋。高嶋めいみ氏が周囲からのさまざまな裏切りに弱っていた際の日常、そして、今だからこそ語れる整形についての思いについて紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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ホストにハマった。優しくしてくれるなら誰でもよかった
私がホストにハマったのは人生最高に弱っていた時期でした。友人に誘われて行った初回のホストクラブで私は酒に酔い、卓で泣いていました。
とにかくそのときは傍らにいて優しくしてくれるなら誰でもよかった。ただ温もりが欲しかった。
お酒でも埋まらない寂しさを手っ取り早くお金で埋めようとしたのです。
「指名するからさ、ねぇお願い。一人で眠れないんだよ……」
たまたま隣に座ったユウキに頼むと、彼は私の部屋に一緒に帰ってくれました。彼は帰り道のタクシーの中で、自分はあまりお客さんを持っていないのだと笑っていました。
「何もしないでよ、絶対いやらしいことしないで」
もつれる足を踏ん張って服を脱ぎ、私はベッドに倒れ込みました。ユウキは行儀よくスーツをハンガーに掛け、私の横に入ってきました。
彼は本当に何もしませんでした。
「わかるよ。大丈夫だからさ、安心して眠りなよ」
そう言うと傷を負った猫をいたわるかのように、優しく私の背中を撫で続けて寝かしつけてくれました。