「ミス東スポ2020」グランプリに輝いたグラビアアイドルの緑川ちひろさん(28)。撮影会や写真などで披露するその美貌からは想像がつかないが、「刑務所マニアアイドル」としての顔も合わせ持つ。現在、「実話ナックルズ」で女子刑務所の内情について「あなたの知らない女囚の世界」というコラムを連載し、受刑者とも文通を重ねている。

 文春オンラインの記事「“塀の中”刑務所作業製品の深すぎる世界」で紹介された刑務所作業製品も集めているといい、刑務所にも観光気分で足を運ぶほどの熱の入れようだ。そんなアングラマニアの緑川さんにしか知り得ない「塀の中」のリアルとは一体、どんな世界なのか。

 

「ムショ飯」漫画がきっかけで刑務所に興味を持った

──まずは刑務所に興味を持ったきっかけから教えてください。

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緑川 高校生ぐらいの時に読んだ『刑務所の中』っていう漫画の影響が大きいです。著者の花輪和一さんご自身が刑務所に入っていたことがあり、その実体験を基に描かれているのですが、メインのテーマが食事なんです。いわゆる「ムショ飯」漫画で、それがめちゃくちゃ面白かった。

──どういった点が面白かったですか?

緑川 塀の中にいると、一番の楽しみってやっぱり食事じゃないですか? 『刑務所の中』では、1日のメニューや「特食」と呼ばれるおやつなど、食事について細部にわたって描かれているんです。読み進めていくと、刑務所の中で「アルフォート」(ブルボンのチョコレートビスケット)が食べられることを知って驚きました。

 

 受刑者の刑期にもよるのですが、ロング(10年以上の長期刑)だと、映画を観られる娯楽の時間がある。しかも映画を観ながらアルフォートとコーラがいけるんですよ! 雑居房に戻ってきて、「何のお菓子が出た?」って他の受刑者から聞かれて、映画の内容よりはお菓子が話題になるんです。「塀の中のリアルってこんな感じなんだ!」って関心を持ちました。

──漫画以外に刑務所に惹きつけられた出来事はありますか?

緑川 2010年に死刑の刑場が初公開されたニュースですね。日本に死刑制度があることはもちろん知っていたのですが、その場所を初めて見たことで色々な感情が湧いてきて、さらに興味を持ち、刑務所に本格的にのめり込んだ感じです。本格的っていうと変ですけど(笑)。

 

 でも人に言えない趣味だったんです。「刑場公開のニュース見た?」と周りに尋ねてみたら、あまり反応が良くなくて……。私、グラドルをやる前は商社で営業アシスタントをしていたんですが、その時も会社で浮くのが嫌だったので、その趣味については黙っていました。