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「どこのムショ飯が一番美味しい?」“刑務所大好きグラドル”が語る「塀の中」のリアル

緑川ちひろインタビュー

2021/08/11
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今後の目標としては慰問、まずは府中刑務所から

──文通を重ねるうちに相手が増えていったと思いますが、現在は何人とやり取りしていますか?

緑川 15人ぐらい。全員男性です。年齢は若い人で30代前半、上は60代です。罪状は、一番多いのが薬物関係。あとは傷害、詐欺ですね。殺人はいません。

 

──お返事は全員に手書きですか?

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緑川 はい。手書きだとやはり大変なので、1ヶ月に1回返せるかどうかですね。1人1枚と決めていますが、それでも15枚まとめて書くと数時間かかります。途中、腕が痛くなるので、アイシングしながら書き続けています。正直に言うと、パソコンで打とうかなと思う時もありますが、少しでも癒やしになればと頑張っています。あとは喜んでもらえるように、封筒の閉じ口に封蝋を使っています。

──ムショ飯はどこの評判が良かったですか?

緑川 文通相手による“美味しかったランキング”では、鹿児島刑務所でしたね。「豚骨煮」といって、豚肉と軟骨をとろとろになるまで煮込む料理で、鹿児島刑務所は全体的に味付けが濃く、食事の評判が良いと。私が食事に興味があることを相手も知っているので、中の食レポをしてくれるんですよ。

──文通相手から相談事をされたことはありますか?

緑川 ありますね。自分がしたことを後悔しているみたいなことを書かれていて、奥さんとも別れ、子供とも会えなくなり、友達にも見放されて辛いですと。それに対しては「応援しています!」とだけ書きました。あんまり深入りしすぎると、良くないかなと。相手は閉鎖的な環境で、しかも女性は私だけという状況です。だからもし出所した時にトラブルにならないように、というのは一番に考えていますね。

 

──実際に会いたいと書いてくる人はいますか?

緑川 みなさんそうです。面会に来て欲しい、慰問に来て欲しいと。1回の手紙に5枚ぐらい書く人がいて、しかもとても小さな字なんです。その方からはすでに10通以上も届いていますが、何とお返事していいのか分からず……。こちらが読み終わる前に次が届いちゃう。そういうことがありますので、相手との距離感をある程度保ちつつ、でも塀の中のことは知りたいので聞かせていただいています。

──刑務所マニアアイドルとして今後はどのような活動をしていきたいですか?

緑川 今後の目標としては慰問です。たとえばですが、詩の朗読とかでいつしか慰問をさせていただけたら……。

──もし慰問が実現したら最初に行きたい刑務所はどこですか?

緑川 なかなか難しい質問ですね。でも府中刑務所かな。東京で馴染みもありますし、刑務所作業製品の販売所も行きましたから思い出もあります。まずは関東から攻めたいですね。

 

写真=今井知佑/文藝春秋

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