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イルミナティカードを信じ切っていた

 社会人1年目。2012年の夏頃、同窓会で会った。この時は、髪や服について派手な印象は受けず、むしろ喜怒哀楽を見せていた高校時代とは違い、周囲の人を気遣う様子も見られたので「大人になったな」と好印象だった。彼も周囲の人に対して「俺、変わったでしょ? 大人になったでしょ」と言っていた。

 半年に1回は連絡を取っていたが、私が転勤・結婚・出産などで忙しく、話半分で聞いていたので内容はあまり覚えていない。電話の度に「彫師のところにいる」「障害者施設で働いている」「キャバ嬢の運転手をしている」など職を変えていたような気がする。2015年8月末頃、電話があり「俺、最近病んでいる。お前は結婚して妊娠して人生大成功してるなあ」と、ため息まじりに言っていた。

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「彼女とか、いないの?」と訊くと、「今はきちんと付き合ってる彼女がいない」「この先どうなるんだろう。親がそういえば近所と猫のことでトラブって出て行った」と言っていたので、肯定も否定もせず「そっか、そっか」と聞いていた。すると私の容姿について「お前は普通よりいいんじゃない?」「けど旦那はそうでもないよな」と言ってきた。私は旦那のことを悪く言われたことに腹が立ち「お前よりはいいわ」と言うと、「整形するしかないな」と言ってきたので「そうだね、それしかないね」と返した。

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 他にはタトゥーについて「お前が外国人のこと好きだって言ってたからタトゥーを入れた」と言われ、「嘘でしょ」と返すと、「嘘」と言っていたので、冗談だと思っていた。その後、別の日にLINEで「鼻を整形しました」と整形前と後の写真と一緒に送られてきたので、整形したということがわかった。

 2015年11月、電話がかかってきてイルミナティカードの話を突然していた。「イルミナティカードって知ってる? ネットで調べてみて」と言うので、電話を切って調べていると、LINEのメッセージで「今までの世界中の大きな事件は予言されていた」と書いてあって「これ見て」とイルミナティカードの画像を送ってきて、反対から読むと「3、10、4」の数字が出てきて、「サトシになる。すごくね?」と言っていた。私は「あほらしい。さとしなんて何人いると思ってるの」と言うと「でもさあ。でもさあ。すごくない?」と聞く耳を持たず信じきっている様子だった。

障害者に対する差別的な発言について

 2016年2月頃、LINEのメッセージで「今電話できる? 旦那さんも一緒にいれば聞いてほしい」ときた。その時は、夜遅く、旦那の夕食も支度するなどしなければいけなかったので「LINEで言って」と言った。