Microsoftから、Windows 10の後継OS「Windows 11」が今秋登場します。もともとはWindows 10の新バージョンとしてリリースされるはずが、新たにWindows 11という名前をつけられることになった経緯があり、Windows 10のユーザは無償でアップグレードが可能とされています。
具体的な機能の違いや特徴は、すでに多くの記事で出ていますが、ユーザの視点から見た操作性や使いやすさについては、どのような違いがあるのでしょうか。現在Windows Insider Programのベータチャネルからダウンロードできるビルドを試用してみて、筆者が「これは残念」と感じた、3つのポイントを今回は紹介します。
なおこのWindows Insider Programから入手できるビルドは日々進歩しており、正式版がリリースされるまでに変更される可能性があるのはもちろん、この記事が公開された時点ですでに挙動が変わっていることも考えられます。本稿の内容は、あくまで執筆段階での挙動であることを予めお断りしておきます。
その1:これまでの経験則が通じない操作もちらほら?
Windows 11では、従来のWindows 10とはデザインが大きく変更されています。その象徴と言えるのが、画面の下、左端にあったスタートボタンが中央寄せになっていることです。
この変更は「マウスを動かす距離を短くして操作性を高める」ためだそうですが、アプリを多数起動するとスタートボタンの位置がそのぶん左にずれていくため、目視でボタンの場所を確認しなくてはいけません。何も考えずにマウスポインタを左下の突き当たりまで持っていけば済む従来のほうが、よほど直感的に、「慣れ」で操作できます。
Windows 8でホームボタンを廃止したり、またOfficeでプルダウンメニューに代えてリボンインターフェイスを導入したりと、同社はこれまでもユーザが使い込んで習得した「慣れ」を反故にし、新たに操作方法を覚え直すことを要求する傾向がありました。
こうした改変の中には、たしかに合理的と思えるものもありますが、ユーザは毎回メニューやラベルを読んで操作しているわけではなく、画面のどの場所にあるかで判断するものです。そこがガラリと変われば戸惑うのは当然で、それに見合ったプラスアルファがなければ、多くのユーザは改変前の状態で使い続けたいと考えるのが自然です。
今回のWindows 11では、このスタートボタン以外にも、ファイルを右クリックした時のメニューなど、あちこちでこうした経験則が使えなくなっています。どれだけ優れた機能が追加されていても、これまで慣れていた操作ができずにギョッとさせられるようでは、ユーザとしてはたまったものではありません。こうした方向性の違いによる違和感は、やはり気になると言わざるを得ません。