穴を埋めた「イケメンすぎる選手」たち
その穴を埋めたのは、セッター、ヨム・ヘソン選手とレフトWSパク・ジョンア選手だ。ヨム選手はトルコ戦の後、うれし涙を一番流したと伝えられ、重圧がどれだけのものだったかが窺われた。
レシーブの弱さが心配されていたパク選手も“スクラッチ(ここ一番で決めるという意味)パク”の異名を存分に発揮していると高く評価されており、韓国紙の運動部記者は「イ姉妹が抜けて戦力が落ちたといわれたが、むしろチームがひとつになった力は実力以上のものを生み出した」と話していた。
そして、第2のキム・ヨンギョンといわれ注目されていたのはライトOP(オポジット)のキム・ヒジン選手だ。
キム・ヒジン選手はオリンピックを控えた5月、左膝の骨片の除去手術をしており、コンディションは万全ではないといわれたが、ステファノ・ラバリーニ監督にチームに不可欠なメンバーとされ、通常なら2カ月かかるリハビリを短縮して出場していた。
小学生の時に陸上をはじめ、高跳びで優勝するなど注目を集め、小学6年生の時にはすでに175センチを越える身長から全国からスカウトが集まった。釜山からソウルに転校し、中学からバレーボールを始めている。
高校時代からその名を轟かせ、ファンクラブも存在するなど、韓国では絶大な人気を誇る。
そんなキム・ヒジン選手のロールモデルはやはりキム・ヨンギョン選手。五輪前には「ヨンギョンオンニ最後のオリンピックと聞いた時妙な気持ちになった」(ザ・スパイク、7月21日)と複雑な心境を語っていた。
「キム・ヨンギョン選手のプレイは3年後のオリンピックではもう見られないのでしょうか」
準決勝のブラジル戦に負けた翌朝、ラジオからMCのこんな声が聞こえてきた。この後かかった曲は、「百戦無敗」。
キム選手はやはり次のオリンピックには出場しないのだろうか。
2020年、新型コロナウイルスの影響と東京オリンピックの準備のために11年ぶりに韓国チームに戻っていたキム選手だったが、2021-22シーズンは再び韓国を離れ、中国の「上海ブライトユーベスト」に移籍することが発表されている。