「ジョージア州も桃が名産だけど福島の桃の方がおいしかった」
桃を差し入れてくれた方々への受取り証明書代わりに、配った人と桃の写真を撮ってSNSにアップし、彼らを「福島桃大使」と勝手に命名。各国広報や記者に配るとあっという間に桃はなくなった。
「福島の桃は大人気でもう無くなりました」とSNSで呟いたところ、今度は福島の違う関係者の方が2箱、そしてNYの友人も一箱購入し、送ってくれた。一気に3箱。これはうれしい悲鳴である。
というわけで再び、「米国のソフトボール監督が6個も食べた福島の桃だよ」という注釈をつけながら配り歩いた。桃は特別感と重量感と香りがすばらしく、みんな笑顔になる。
第一声は、「えーーーー、うれしい。いいの?」。
食べた後の感想も皆同じ。
「人生で最高の桃だった」
「家族や友人に、もらった桃がおいしかったってテキストした」
「アメリカのジョージア州も桃が名産だけど、福島の桃の方がおいしかった」
イギリス陸連の女性広報は長い付き合いになるが、いつも難しい表情をしているのに、桃を渡したらパーっと笑顔になった。桃パワーはすごい。
ケニア記者の“桃買収”は失敗?
ちなみにケニアの記者に「桃と交換条件で(男子マラソンの)キプチョゲにレース戦略を教えてほしい」と買収を試みた。「わかった電話で聞いておくね」と言われたが、それは社交辞令で、もちろん買収は失敗。数日後、キプチョゲは連覇を果たした。ちなみにケニアでは桃を「ニャップ」と呼ぶと教わったが、果たして本当なのだろうか。
SNSを見た他国の記者から「MPC(メインプレスセンター・東京ビッグサイトに設置されている)には持ってきてくれないの?食べてみたい」という無茶振りもいくつかあった。福島の桃をきっかけに、面識のない海外記者とコミュニケーションを取れたことも貴重な経験だ。