文春オンライン

「在宅勤務」で絶対にやってはいけないこと「“いらない上司”の烙印を押されてリモート会議に呼ばれなくなることも…」

『修羅場のケーススタディ 令和を生き抜く中間管理職のため30問』より#1

2021/08/23
note

 一番難しいのは、営業サポートのような「管理部門ではないけれど、成果と数字との紐づけが難しい」部門でしょう。稼働時間や仕事量だけで仕事を割り振ると、「仕事が速い人が損をする」ことになりかねませんし、結局「できる人ばかりに仕事が集まる」という事態になりがちです。一案として、仕事の成果を「稼働時間」と「質」の2つの側面から評価する方法が考えられます。例えば、営業担当に、サポート担当者の仕事の質を評価してもらうのです。すると、「多くの仕事をこなし、かつ、質も高い人」と「どちらも低い人」が見えてきます。より公平な評価が可能になり、改善点がどこにあるかも見えてきます。

あなた自身が 「働かない人」 扱いに?

 さて、ここまではいわゆる「働かないメンバー」の話でしたが、中間管理職であるあなたも油断できません。密かに「いらない上司」の烙印を押されているかもしれないからです。コロナ禍によって大きく変わったのが「会議」です。惰性で続けられていた会議が「あえてリモートでやるまでもない」と中止になったり、「必要なメンバーだけでいい」と、規模を縮小するケースが相次いでいるのです。

©iStock.com

 いわば会議の質が上がるわけで、歓迎すべきことなのですが、ムダな会議ばかりに時間を使っていた管理職は、「気がついたら何もすることがなくなっていた」という状況になりかねないのです。

ADVERTISEMENT

 もし、周りの人がZoom会議を頻繁に開いているのに、自分にはまったくお声がかからない場合は、意識的に「飛ばされている」恐れがあるので注意が必要です。 

 リモートワークや在宅勤務の流れは一時的なもので、いずれ元に戻ると考える人もいますが、果たしてそうでしょうか。リモートでも仕事が進むことがわかってしまった以上、この流れが変わるとは思えません。ならば、この機会を「従来型の仕事の問題点を改善するチャンス」にすべきだと思います。

「在宅勤務では誰がサボっているかわからない」と考える人もいますが、私はそれについては楽観的です。人間、何も仕事がないとかえって辛いもの。最初は喜んで仕事をサボっていた人も、いずれ「自分のすべき仕事は何か」を真剣に考え出すはずだと、私は思っているのです。

A.評価制度をドラスティックに変え、「真の成果主義」への抜本的改革を。