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「在宅勤務」で絶対にやってはいけないこと「“いらない上司”の烙印を押されてリモート会議に呼ばれなくなることも…」

『修羅場のケーススタディ 令和を生き抜く中間管理職のため30問』より#1

2021/08/23
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「大和田常務」をトップにしてはならない

 もう1つ判断基準があるとすれば、 彼らが目指しているのが 「支店長になること」 なのか、「仕事によって何かを実現すること」なのかという点でしょう。単に「支店長になりたい」という欲求だけでは、それ以上の成長が見込めないからです。

 2020年に第2期が放映され、第1期と同様に高視聴率を記録したドラマ『半沢直樹』。私も楽しみに見ていましたが、中でも目立ったのは香川照之氏演ずる大和田常務でしょう。大和田常務は第1期の最後で半沢に不正を暴かれて失脚しますが、第2期では再び役員に返り咲いています。しかし、本来は彼のような「出世欲の塊」のような人を、役員にすべきではないのです。むしろ上に行くべきは半沢のように「銀行員として成し遂げたいことがある人」です。つまり、A君が圧倒的に成果を上げていたとしても、B君のほうが未来に活躍できるスキルを持ち、ビジョンもあると判断すれば、B君を選ぶべきだということです。

部門長は常に「次」を考えておく 

 当然、A君は不満でしょうから、「〇〇の視点からB君を選ばせてもらった」などと、説明責任を果たす必要があります。その上で、A君にはボーナスなどの報酬で報いればいいのです。本来、業績に対しては報酬で報いるべきであり、役職や地位とは分けて考えるべきなのです。

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 とはいえ、いくら説明したところで、納得してくれるかは別問題です。A君をB君の下に残すかどうかは、最終的には両者の判断に任せるべきでしょう。例えばA君が「どうしても一緒に仕事はできない」と言うのなら、A君を異動させるなどの措置が必要になるかもしれません。

 このケースではもう手遅れかもしれませんが、本来なら数年前から「どういう基準で後継者を選ぶか」を明確にすべきであったと言えるでしょう。自分の就任中からいわゆる 「サクセッションプラン」を考えておくことは、リーダーの責務です。

A.過去の業績ではなく「未来の可能性」を評価。「大リーグ方式」で後継者を選べ。

「在宅勤務」で絶対にやってはいけないこと「“いらない上司”の烙印を押されてリモート会議に呼ばれなくなることも…」

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