家族の運命を変えた、『ASAYAN』のオーディション
ーーそうしたなかで、お姉様が『ASAYAN』(テレビ東京・1995~2002年)で行われた「モーニング娘。第2回追加オーディション」を受けられる。夏休みの林間学校に行かなかった真希さんにオーディションを勧めたのは一番上のお姉さんだそうですけど、真希さん以上に芸能界に興味をお持ちだったのですか?
後藤 いや、たまたま『ASAYAN』で見て「これ受けてみればいいじゃん」みたいな軽いノリだったと思います。
ただ、姉ちゃんもまんざらでもなかったんじゃないですかね。姉ちゃん自身、SPEEDさんとかが大好きだったので、学校の休み時間や、家でSPEEDさんの曲を踊っていたんですよ。
ーー真希さんが、林間学校に行かなかった理由が気になるのですが。
後藤 姉ちゃんは一匹狼というか、自分が「これをしたくない」とか「あれをしたくない」って思ったら、誰に何を言われても絶対しないタイプなんです。
女子中学生の友達関係って、派閥があったりして、面倒くさいところもあるじゃないですか。そういうなかで林間学校に行っても楽しめない、という感覚が姉ちゃんのなかにあって、行かなかったみたいですけどね。
ーーその一匹狼なところは幼い頃から。
後藤 そうですね。頑固というか、自分は自分というか。自分が悪くないと思ったら、どう考えても自分が悪くても謝らないときもある(笑)。それで兄弟ゲンカになったことが結構ありますね。
ーー真希さんがモーニング娘。に入ってからは近所でも騒がれたり、いろいろとご家族も大変だったのでは。
後藤 結構、壮絶でした。自宅がいろんな人にバレてましたし。ぜんぜん知らない人が瑞江駅に着いて、タクシーに乗って「後藤真希さんの家までお願いします」と言ったら、そのまま案内されちゃうぐらいの感じだったんですよ。だから、危険な人も来るようになって。
家の前で四六時中ずーっと張っているファンがいて、さすがに気持ち悪いので「ちょっと帰ってください」と言ったら、ものすごい剣幕で言い返してきたりして怖かったですよ。
あと、これは僕が18歳とか19歳くらいの話ですけど、家に入ろうとしたら敷地に侵入してきたファンに後ろからヘッドロックを掛けられました。
ーーそれって、普通に強盗では?
後藤 いや、姉ちゃんのファンでした。僕が帰ってきて玄関前の階段を上がっていたら、いきなりヘッドロックされちゃって。これは危険だなと思って、後ろにぶん投げました。