ーー「おっととっと夏だぜ!」はオリコンチャート5位のヒットとなって、EE JUMPもブレイク。そうなると後藤さんのもとにもお姉様のようにファンが訪ねてきたりしたのでは。
後藤 ファンも来ましたけど、冷やかしのほうが多かったです。たとえば、江戸川区の花火大会をやっていた日に、誰かが家の前で明らかに僕に聴こえるようにEE JUMPの曲を大声で歌っているんですよ。
ガラッと窓を開けたら、チャリンコに乗った子どもが7、8人で熱唱してる。夜だし、うるさいし、さすがに頭にきて「ふざけんな、この野郎!」って原チャリで追いかけましたね。
あと、夜中に暴走族みたいな連中が家の前に集まって、ずっとコール(バイクのアクセルを吹かして音を奏でる)をやっていたりとか。
「こんなボロボロの状態で歌って踊れるかよ」
ーープライベートの管理も厳しかったのですか?
後藤 和田さんに交際問題で蹴りを喰らったことはあります。最初のシングル「LOVE IS ENERGY!」(2000年10月18日発売)が出た後に、僕はモーニング娘。を卒業して間もなかった市井紗耶香さんとお付き合いしていたんです。
ある日、僕と市井さんがタクシーに乗って事務所の近くで一緒に降りたんですけど、それを和田さんが見ていて。「お前、ちょっと来い」って呼ばれて、「いま、誰といた」と聞かれて「市井さんといました」と答えた瞬間、顔面に蹴りを入れられました。
その日は千葉県八千代市にある高校の文化祭に出る予定だったのに、顔がものすごい腫れちゃって。それなのに「行くぞ!」って言われて、さすがに「こんなボロボロの状態で歌って踊れるかよ」と思ってスタッフの目を盗んで帰ってしまいました。
最近、僕のSNSに「あの学校に通ってた者ですが、2人で来ると思っていたのにソニンさんだけだった。謝ってほしい」なんてコメントが入っていて、申し訳ないなとは思ってます。
ーー恋愛禁止ではあった。
後藤 いや、一般人なら付き合ってもいいよとは言われていました。ただ、そういうことがあったので、当時の事務所の母体だったアップフロントの忘年会などには一切呼ばれなくなりましたね。モーニング娘。のメンバーそれぞれにも、マネージャーさんや事務所のほうから「後藤の弟とは一切連絡を取っちゃいけないぞ」みたいな通達が回ったみたいです。
ーー厳しくされていたがゆえに反発してしまうというか。仙台でのイベント前日に、家に帰りたいのに東京駅近くのホテルに泊めさせられたことでマネージャーと揉み合いになってしまうんですよね。都内にいるのであれば、たしかに帰りたい気持ちもわからなくはないです。
後藤 3ヶ月に1日くらいしか休みがないのに、家に帰れないのはないな、と思って。それでホテルから出ようとしたらマネージャーに見つかって、揉み合いになって生け垣に倒してしまって、それでそのまま宇都宮に逃亡したんです。
行かなかった仙台のイベントに関しても、最近SNSに「あのときソニンさんしかいなかった」とコメントされて、これも本当に申し訳なかったなと。