「辛口なんで真に受けないでって言ったんですけど」
とはいえ、元の動画の中にあった「生活保護の人たちに食わせるカネがあるのなら猫を救って欲しい」「自分にとって必要の無い命は僕にとっては軽い」という発言のカロリーは高く、意味合い的にはかわいい猫のほうがホームレスより価値があるという内容です。病気や失業など事情があってホームレスになった経緯もあるでしょうし、そういうリアルに生きている人間の尊厳の根幹を否定するようなレベルの話ですから、擁護のしようもありません。
また、その後、一度批判が殺到するとメンタリストDaiGoは開き直ったかのようなツイートを繰り返し、挑発してしまいます。なかでも「炎上してるみたいですね。『辛口なんで真に受けないで』って言ったんですけど、真に受けてる人いるみたいですね」「ホームレスとか生活保護の人を、それこそホロコーストとかナチスの事件とかあったわけだから、本当にそういう奴らを殺せって言ってるわけじゃなくて、1人1人から見たらどうでもいい人間っていますよね」などと、批判してきた人に煽り返したわけですから、それは騒ぎは広がることでしょう。
「未成年者と性交をしても違法にはならない」という動画
なぜメンタリストDaiGoは過激なことを言わなければならなくなったのでしょうか。それまで彼のYouTube動画は私もよく観ていましたが、どちらかというと「より良い生活を送るためのTips」や「人生、ちょっと知っておいたほうがいい教養」のような穏当なコンテンツが当初は中心にあったのです。テレビにも出ている有名人が、YouTubeを観てくれる比較的若い視聴者の目線に合わせていいことを言う、というスタンスでしばらくは穏便にやってきたわけですよ。
ところが、この「まともな優等生」路線は、あっという間に行き詰まってしまいます。なにしろ、どこかで読んだことがあるような新書の中身を要約してまとめて動画にしたり、メンタリストとして心理学がどうのこうのという内容ばかりではすぐに枯渇するし、飽きられてしまうからです。そこからいつしか、だんだんと、集まってくる視聴者のレベルに合わせるようになっていきます。
メンタリストDaiGoは文春でも報じられたような話を踏まえてか、近ごろ「未成年者と性交をしても違法にはならない」という動画を掲載し、しかもこの方面の専門家としては「ガムテープ弁護士」などと呼ばれて微妙な評判の立っている福永活也さんを呼んで来て珍説を掲載するに至ります。
未成年と関係持っても原則違法にならないという専門家の法的見解↓
— メンタリストDaiGo (@Mentalist_DaiGo) August 24, 2020
いまいち炎上しなかったので弁護士を呼びました【日本一稼ぐ弁護士 福永活也さん】 https://t.co/MPFZLkJEm2 pic.twitter.com/0ffYmMV2Nc
いわずもがなですが、18歳未満の未成年者と性行為を行った場合は、東京都では青少年健全育成条例18条6により淫行となり違法となります。メンタリストDaiGoがどのような性的嗜好かはよく知りませんが、わざわざ弁護士を担ぎ出してきて、未成年との性交は適法だ、と言わんばかりのギョッとするような主張をするのです。