また、8月20日から公開開始した主演映画『孤狼の血 LEVEL2』は、公開初日の興行収入は前作比110%超を記録し、興行収入約8億円だった前作『孤狼の血』を上回る好スタート。
この映画は、そういった数字以上に、松坂さんにとって意味・価値のある作品となっているように感じます。2018年公開の前作は、主演を役所広司さんが務め、松坂さんはその相棒役として助演していたのですが、“警察小説×『仁義なき戦い』”と評されることもあるほど、映画業界内での注目度が非常に高かった作品でした。警察組織と暴力団の双方で存在感を高めるマル暴刑事を描いた『孤狼の血』は、深作欣二監督の伝説の5部作『仁義なき戦い』シリーズと比較されることもあった映画で、第2弾となる今作は役所さんから松坂さんが主演を引き継いでいるのです。
座長として「引っ張る」ではなく「受け止める」
松坂さんは「映画.com」の本作についてのインタビューで、次のように語っていました。
「初日に、座長として引っ張るとかではないなって感じたんです。そもそも、このチームを僕が引っ張ると考えること自体が違うと思いましたし、それよりも全員で前作を超えていくものを作るんだ! という意識の方が強くなりました。(~中略~)皆さん(共演する俳優陣)に対しては、溜まっているものを全部ここにぶつけてください! 全部受け止めるんで! という、発散して帰って欲しいなあという気持ちでいました」
と、達観したような撮影中の気持ちを述べていましたが、この大役を任されたことは役者冥利に尽きるのではないでしょうか。
これらは結婚発表前から決まっていた仕事だと思われますが、戸田さんの存在が、彼の輝きを最大限引き出したとも考えられるでしょう。
李相日監督も役者として非常に高く評価
一方、今年7月には、映画『悪人』(2010年)、『怒り』(2016年)などで知られる李相日監督の最新作『流浪の月』(2022年公開予定)に、広瀬すずさんとダブル主演することが発表されました。
李相日監督が発表したコメント内には、「松坂桃李君のこの作品への意気込みには驚嘆するばかりです。身体つきはもちろん髪や体毛の一本一本、皮膚感にいたるまで役に向けて丁寧に積み上げていく執念には心が震えます」との言葉があり、役者としての彼を非常に高く評価していることがわかります。
戸田さんと結婚後の松坂さんは、こうして業界内外で株を上げ続けているのです。