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投稿者にも視聴者にもなりうる方々がより一層、YouTube上で活躍できる環境を作っていくつもりです。

YouTube公式チャンネルで紹介されている「YouTubeショート」。一分未満の短尺動画で、投稿のハードルが下がっている。

動画投稿者は儲かっているのか?

《YouTubeが今年発表した自社レポート「Culture & Trends」では、日本においてYouTubeをテレビで視聴する視聴者が2000万人を超えたことが報告されている。地上波を含めた動画コンテンツ産業の生態系は大きく変わりつつある》

――動画投稿者が得られる報酬については、どのようにお考えですか。YouTube上での競争が激しくなればなるほど、クリエイター一人当たりが得る金額は少なくなることはないでしょうか。

仲條 クリエイターやアーティストへの支援や還元は必ずしも収益にだけ限定されるとは思いませんが、それでもYouTubeは過去3年間で、クリエイターやアーティスト、メディアに300億ドル以上の金額を還元してきました。

 2021年の4~6月期は、これまでで最も動画投稿者の方に報酬をお支払いした時期でした。過去1年間(2020年7月~2021年6月)の還元額は、音楽業界だけで40億ドルになりました。

©iStock.com

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――YouTube上は広告収益が最大の収益源です。一方で、SNSを介した購買を指す「ソーシャルコマース」市場(動画上で紹介した商品を購入するといった経済圏)の成長が報じられるニュースも見受けられます。あるいは、ユーザー自身がゲームをプレイする様子を配信する「ゲーム実況」市場も拡大しています。YouTubeの今後の成長を支える収益化のモデルについて、どのように考えていますか。

仲條 広告以外の新しい収益化の試みとして、チャンネルメンバーシップ(クリエイターが月額料金を支払っている視聴者だけが視聴できるコンテンツなどを通して、収益を得られるプログラム)やスーパーチャット(ライブ配信のチャットで目立つように固定表示されるコメント機能)などの方法を提供しています。面白いのはスーパーチャットからの収益に関しては、世界で見ても日本のクリエイターが上位を占めるほど、浸透してきています。