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 短尺動画の「YouTubeショート」でも毎月数千人のクリエイターを対象に、選出された場合に1万ドルのサポートを受け取れるファンドを始める予定です。

《YouTubeでは、金銭的な還元だけでなく、チャンネル登録者数に応じてクリエイターに贈られる「金の盾」(チャンネル登録者数100万人超)、「銀の盾」(チャンネル登録者数10万人超)といったモチベーション向上のための試みも行われている。一方で、欧州では労働組合などから、YouTubeに対して、その運営や収益還元の透明性を要求する運動が発生している》

YouTubeチャンネル登録者数に応じて贈られる「金の盾」「銀の盾」

よく見られている動画の特徴とは

――動画投稿者への収益還元がどのようになされているのか、その説明は十分なものでしょうか。

仲條 クリエイターの方への透明性としては、「YouTubeアナリティクス」という機能を用意しています。投稿した動画に対して、どういう方々が興味を持ち、どういう経路で増えてきているのか。あるいは一つ一つの動画でも、どの位置で脱落してしまったかが分かる機能です。これらのデータを見ながら、クリエイターの方々が日々研究しながら投稿できるようになっています。 クリエイターの皆様への透明性を高めることは、常に私たちの優先事項です。

――日本での事業を統括する仲條さんから見て、日本におけるYouTubeカルチャーの特徴、あまり他の国にはない点はどこにありますか。

仲條 YouTubeは80言語、100カ国以上で展開しているグローバルのサービスなのですが、じつは機能自体には言語以外の違いはほとんどありません。世界で共通する特徴として挙げられるのは、「リアルタイム性」「インフォーマル感」「没入体験」という3点があります。 これらは、日本のコンテンツにも共通しています。

「リアルタイム性」は、音楽コンテンツのライブ配信や生放送を使ったチャレンジ企画などに代表されるトレンドで、クリエイターとのつながりをより身近に感じたいという視聴者の思いが現れたものだと思います。

YouTube上に「さしはらちゃんねる」を開設した指原莉乃氏

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「インフォーマル感」は、作られていない姿、フィルターを介していない“ありのままの姿”を見せるもので、YouTube上で自然な表現の形になっていると思います。タレントの指原莉乃さんが今年はじめに始められたチャンネル(「さしはらちゃんねる」。チャンネル登録者数は94.7万人〈8/24現在〉)の、30分におよぶメイクアップ動画などは、まさに飾らない姿を捉えたものだったと思います。