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 どこまでもストイックなミユキさんだが、実は最近『売り買いしているもの以外のやりとり』をしてしまった。推しのおねだりに応じて、ニンテンドースイッチをあげたのだ。

「値段的には別にいいんですけど、相手のためにならないんじゃないか……とか悩んでたんですよ。でも結局、あげちゃいました(笑)。女風って一部の人気セラピスト以外は、儲かる仕事ではないと思うんです。だって、二時間2万円だとして、彼に入るのはその約半分。『病気のリスク込みでそれ?』と思っちゃって。

 それに、“おねだりされる”って、悪い気分じゃなかったんです。10歳以上年の離れた相手が『うれしい! ポケモンたくさんやるね!』ってめちゃくちゃ喜んでくれて。それが逆にちょっとつらくなって、帰り道少し泣いちゃいました。情緒が安定してないですね……」

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 女性用風俗を通じて、これまで知らなかったいろいろな自分に出会い続けているミユキさん。クリスマスには朝までセラピストと一緒にいられる「お泊まりプラン5万円」(※ホテル代別)を利用するそうだ。幸せな聖夜になりますように。

写真はイメージです ©iStock.com

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コロナ禍で推しセラピストが退店、そのときミユキさんは…

 ミユキさんにここまでの取材をしたのが、2019年12月のこと。

 掲載時は非常に多くの反響があり、私の元にも「女風を利用してみようと背中を押された」といった感想がちらほらと届いた。その後ミユキさんと推しセラピストとの関係はどうなったのだろうか?

 連絡を取ってみると、なんとすでに推しセラピストは退店してしまったと教えてくれた。新型コロナウイルスの感染拡大が騒がれ始めた2020年3月までは指名を続けていたが、緊急事態宣言後はしばらく休んでいたところ、夏頃に退店するという連絡が来たのだそうだ。

「理由を詳しく聞いたわけではないのですが、コロナで指名数が減ったのを機に、昼に別の仕事を見つけて、そちらに専念するようでした。

 女性向け風俗って、男性向けほどセラピストの若さが重視されていなくて、同年代が落ち着くって女性も多いから30代の人気セラピストもたくさんいるけれど、彼はこの仕事自体を長くやろうとは思ってなかったようです」