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多様な女の子のロールモデルを発掘する“ミスiD”で、男性初のファイナリストに… 自らを“DIVA”と名乗る「ゆっきゅん」って何者?

「DIVA Project」始動記念・ゆっきゅんインタビュー#1

2021/09/09

source : 別冊文藝春秋

genre : エンタメ, 芸能, 音楽, ライフスタイル

note

今度は私が「DIVA」になる番

――自分自身を奮い立たせる姿が、結果として聴く人を元気にしてくれるんですね。

 そうですね。でもだからといって、「DIVA ME」を聴いているファンの方を、「悩める子羊」だと限定したい気持ちは本当にないんです。のびのびと生きている私でも、「DIVA ME DIVA ME」って自分に言い聞かせて頑張る時がある。だからきっと、誰にだって届くはずだと思っています。私もずっと音楽に助けられてきたし、今でもそうなんです。

 

――どんな「DIVA」の音楽を聴いてきたんでしょう。

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 好きな「DIVA」の名前を挙げたらきりがないですね。大森靖子さん、浜崎あゆみさん、椎名林檎さん、宇多田ヒカルさん、aikoさんも、安藤裕子さん、YUKIさん、Charaさん、Tommy february6さんも大好きです。彼女たちの音楽にずっと救われてきたので、今度は私が「DIVA」になる番かなって思っています。

 私の中で、「DIVA」や、女性歌手、歌姫が好きっていうのは、「好きな食べ物は何?」って訊かれて「白いご飯」って答えるみたいなものなんですよ。そもそも数年前まで、みんな自分と同じくらい「DIVA」が好きだと、当然のように思ってたんです。でも私の「DIVA」好きは当然ってレベルじゃなかったみたいです(笑)。

 

自分を飾らないアイドル

――ゆっきゅんさん自身が「DIVA Project」を心から楽しんでいることが伝わってきます。

 今までの活動で、私がずっと貫いているのが、「本当にやりたいことをやること」なんです。初めの頃は不安もありましたが、そうすることで、「私も自由に生きようと思いました」「救われました」と言ってもらえて、私が自分のままで生き続けることが、人の心を自由にすることがあるのだと、少しずつ自信が持てました。

「DIVA Project」でも、自由に選択することに対して抑圧を感じているような人を、少しでも楽にしたい、これでいいんだよなって思ってもらいたい。人の目が気になったり、着たい服を着ることにすごく抵抗があったりする方は多いですよね。今の社会では当然だと思います。でも、自分のままで生きられる道を探すのか、自分らしさを削られてでもその道でいくのか迷った時に、前者を選べたら、人生もっと楽しいんじゃないかなと思うんです。

――ゆっきゅんさんのその生き方に影響を与えた人や物はあったのでしょうか?

 家族の存在でしょうか。家を出てから、両親は私のことを否定したことがない、と気づきましたね。私は少女漫画しか読まなかったし、女の子の友達しかいなくて、ずっと歌姫のものまねをしていました。両親にとって予想外であったかもしれない私の趣味嗜好や感性について、思い返してみると、否定されたことはなかったんです。本当にありがたいことだったと感じています。