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藤井    はい。当然、自分にはなかなか思いつかない手をAIに示されることもあります。しかしそういったところも、やはり自分なりに解釈して取り入れていければ、いちばんいいのかなと思っています。

「AI評価」について

丹羽    将棋の対局のインターネット中継では、AbemaTVなどで画面に「AI評価」が出るんですね。今70:30で藤井さんが有利、みたいな形です。あれについては、どう思っていますか?

藤井    使われるAIによっても、評価値の出方に違いはありますし、探索局面数が少ないときには、かなり数値も揺れ動いたりはするので、それももちろん絶対ではないんです。でも一つの目安としては面白いといいますか、けっこう自分も他の方の対局を見る際には、その評価値を見ています。

丹羽    藤井さんはAIを活用しつつ、それが唯一解とは考えないとおっしゃった。AIが出した結論でさえも検証していくということは、常に「問い」を心掛けているんですか?

©深野未季

藤井    「問い」といえるかはわかりませんが……、AIの評価値を見るうえでまず気を付けることは、それがどういうAIを使って、どれぐらい読んでいるのかというところです。いくら評価値がこうだといっても、そういう基本情報がないと、本当にそれを信じていいのかは、全然わからないものなので、まずはそこを見るようにしています。そのうえで、強いAIを使って、例えば十億手読んでいるものであれば、当然それなりにかなり信頼できるなどと考えます。複数のAIを使って、セカンドオピニオンのような形で見る場合もあります。

 そうした意味でも、AIの評価値が必ず正解なわけではありません。なので、参考にしつつも、自分でも局面を考えてみるという作業は、やはり常に必要になるのかなと思っています。

©文藝春秋

最近関心のある分野は、コンピュータ関連

丹羽    それは一般社会でも気を付けるべきことですよね。最近はネットで得た情報を、その情報の出所や正誤も確かめずにすぐ鵜呑みにしてしまう人、そのままSNSなどで拡散してしまう人というのが、非常に増えてきていますからね。

 経済界でも、これからAIによって経済構造自体が大きく変わるんじゃないかと言われています。

藤井    将棋界においては、AIが誰でもオープンに使えるようになっているので、以前よりも情報格差がどんどんなくなってきています。やはりAIのような新しいツールをどう活用していくか、そういうところが問われるようになるんじゃないかなとは思っています

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