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「第二の藤井聡太は生まれる?」「将棋AIの評価値をどう考えている?」藤井聡太三冠が返答した“意外な持論”とは

『考えて、考えて、考える』より#2

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 自分はAIを使って研究をすることもあり、趣味でパソコンも自作しています。CPU(中央演算処理装置)には数年前から、AMD(アメリカの半導体企業)の「Ryzen(ライゼン)」を使っていて、自分の使っているものは一秒間に六千万手ほど読む能力があります。

丹羽    将棋を除いて、藤井さんが最近関心のある分野は、コンピュータ関連なんですか?

藤井    とくにCPUは、自分が将棋で使うものでもあるので、関心はあります。棋士になった直後くらいに、将棋用に新しくパソコンを買おうと思って、それで調べているうちにパソコンを自作するようになったという感じです。

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丹羽    コンピュータの構造とかにも関心がありますか?

藤井    いえ、アーキテクチャーの話は難しくて、自分には全然わからないんです。

©文藝春秋

第二の藤井聡太は生まれるのか

丹羽    2002年生まれの藤井さんは、アメリカの世代論でいうと「ジェネレーションZ」に該当します。世代の開始年や終了年は、論者によって多少違うけれど、だいたい十年から十五年で一世代になる。

 1965~80年生まれが「ジェネレーションX」、日本だと「団塊ジュニア(一九七一~七四年生まれ)」がここに入る。次の81~95年生まれが「ジェネレーションY」もしくは「ミレニアル世代」。パソコンOS「Windows95」の登場(95年)とそれによるインターネットの普及、スマートフォン「iPhone」の登場(2007年)などで、10代からデジタル環境に馴染んだ最初の世代といわれている。今の40歳以下に当たります。

 そして1996~2010年生まれが「ジェネレーションZ」、生まれたときからデジタル環境があった最初の世代。それまでの世代が、人生の途中からパソコン、携帯電話、インターネットを勉強してきたのとは全然違うんですね。僕たち上の世代は、デジタルを活用しようとか、AIに勝った負けたと言うけれど、藤井さんたちジェネレーションZは、デジタルというものが自然に頭のなかに存在していて、普通に共存していると思うんですよ。AIとの勝ち負けも意識しないんじゃないでしょうか。

藤井    そうかもしれないです。

今後どのように育ってくるのか

丹羽    その次の世代、2011年から、まだ生まれていない26年生まれは「ジェネレーションα」と名付けられている。生まれたときからスマホやタブレット端末、SNS、AIが身近にある世代だね。その辺は藤井さん、何か思うことはありますか?