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2017/11/10

「庶民」でも医療を求めて日本にやってくるようになった

――中国の普通の人が、日本に医療を求めてやってくると。

 はい。特に今年に入ってから3つの傾向が出ています。ひとつ目は、検診が目的ではなく病気の治療を目的に来る人が増えたこと。がんのほか、糖尿病など生活習慣病の治療を求める方が増えました。中国の病院で匙を投げられた子どもの難病の治療を望んで、日本に来る方も少なくありません。

 ふたつ目は、一般市民の方が特に増えました。周囲の人から借金をしてでも、日本で治療を受けたいという方がいるんです。

――みっつ目は?

 年齢層が若くなりました。数年前までは40~50代の方が多かったのですが、いまは平均35歳ぐらい。いま、中国でいちばん成功者のお金持ちが多い層は30~50代ですし、現代の中国では若いエリートほど自己管理に敏感なので、検診に来るんです。

 逆に60代以上の高齢者は少ないですね。古い中国で育っている世代なので、「海外で検診や治療を受ける」という発想になかなかならないようです。

――中国人の訪日医療ツーリズムの費用って、Nihonさんだといくらくらいなんですか?

 検診と治療を分けて考えなくてはいけません。検診の場合、おおむね日本国内の病院で25万~40万円くらいのコースが一番人気です。そこに、私たちの仲介アレンジ費用が10万~15万円ほど乗る感じでしょうか。

Nihonの上海オフィス。比較的こぢんまりとしている。筆者撮影

――現代の中国なら、都市部の中産階層であれば出せない金額でもないですね。

 はい。2013年ごろに超富裕層の方がたくさん来ていたころは、「とにかくいちばん高いコースにしてほしい」みたいなオーダーも多かったのですが、最近は顧客層が広がったことで正確な商品知識を持つ方が増えて、値段も落ち着いた印象ですね。

――対して、難病の治療の場合は? 日本は国民皆保険の国ですが、外国人の医療ツーリストなら保険は利かないですよね。

 そうです。治療の場合は費用がまちまちなのですが、がんの治療に関しては1000万円くらいでしょうか。心臓病の外科手術になりますと700万円くらい。生活習慣病の治療はもっと安くなります。

――中国は社会に医療不信も根強いですから、重病であるほど、たとえ高額の治療費を支払っても海外に行きたがるということでしょうか。

 その傾向はありますね。もちろん、中国にもレベルの高い病院はたくさんあるのですが、患者数が非常に多いことが問題です。また、治療費に透明性がないと感じる中国人もいるようです。