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控えめで内省的=自信がなく積極性も乏しいだけ

 当然のことながら中心になるのは韓国勢だが、日本勢は3つの役割で各1人ずつ。極端に少なく、これでは目立ちようがない。番組でも、あるグループの日本勢3人が意見をはっきり言えないことを漏らし、うちひとりはチームの足を引っ張っていると涙を流した。

 控えめで内省的──それは日本では美徳のように扱われる風潮があるが、実際は自信がなく積極性も乏しいだけだ。国際調査でも、日本の若者の自己肯定感や社会参加意欲が他国に比べると著しく低いことは明らかになっていたが、それをうかがわせる光景だった(内閣府「令和元年版 子供・若者白書」2019年)。 

 しかも、この状況ではそうした消極的な姿勢はけっしてプラスに働かない。そこは学校の教室ではなく、グローバルなオーディションだからだ。

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自己主張をする積極的な中国勢

 逆に目立っていたのは中国勢だ。彼女たちの多くは、はっきりと自分の意見を述べる。キリングパートにも積極的に立候補していた姿が目についた。

 それは国民性によるものというよりも、過去に中国のオーディション番組『青春有你』と『創造営』シリーズへの参加経験者が13人もいるからだろう。中国ですでにデビューした者も少なくなく、今度こそチャンスをものにしようと必死になっている様子が感じ取れる。

 だが、そうした積極性はかならずしも良い方向ばかりには転がらなかった。なかでもEXO「THE EVE(前夜)」チームでは悪い方に転んだ。

 もともとこのチームは実力のあるメンバーの集まりだ。リーダーを務めるフー・ヤーニン(ソロ歌手)をはじめ、オーディション初期から目立っているスー・ルイチー(Chic Chiliメンバー)や江崎ひかるなど実力派が揃っている。過去にLIPBUBBLEというグループでデビューして2年活動した経験のあるユ・ダヨンもいる。事実、番組開始前のK-POPマスターによる参加者の国別評価順位の平均は、全11チームでトップだった。

 課題曲の「THE EVE(前夜)」を選んだのも、3倍のベネフィットを獲得できる3チームバトルだったからだろう。メンバーの多くは自信を持ち、勝つ気満々で勝負に臨んでいるように見えた。