老舗の闇カジノで働いてきた人間は先輩から「闇カジノは大人のディズニーランドだと思え」と教育されてきたという。闇カジノを社交場と捉える客は多く、そのサービスも丁寧だ。店側もエンターテインメントの延長線だと思っているので犯罪意識は低い、という。漆原氏も「まあ、ぶっちゃけ犯罪だということは理解しているのですが、人に危害を加える訳じゃないのでどうしてもそう思ってしまいますよね」と振り返る。
きれいに遊ぶ客と、負けてごねる客。そこで重要なのが…
かつて漆原氏が経営していた闇カジノ店ではバカラやブラックジャックなどのカードゲームとルーレットが遊べた。また別の店舗では闇スロットを置いており、こらも高レートでスロットを遊ぶことが出来た。VIP客が好んで遊ぶのがバカラで、一般客に人気が高いギャンブルが闇スロットだという。
バカラは一勝負で1000万円という金額が飛び交う大勝負。そのヒリヒリ感とアドレナリンが大量に放出される空気感をVIP客は好む。賭ける金額は漆原氏曰く「青天井」だという。一方で闇スロットの場合は12時間かけて行い、数百万円の金額をやり取りするギャンブルとなる。スロットが好きな客は楽しめるが、儲ける金額の上限は「200万円が良いところだ」(同前)という。
さらに闇カジノ独特の用語としては、きれいに遊ぶ客を「盆面がいい」、負けてごねる客を「盆面が悪い」と評するという。ITバブル時代、六本木の闇カジノに出入りしていたIT社長やファンドマネージャーたちは、軒並み「盆面が悪い」人間ばかりだったという。
「ここで重要になるのが女性スタッフです。黒服やウェイトレス、ディーラーなどに女性を採用するのです。店内に女性スタッフがいるだけで、客はセコイ打ち方をしにくくなったり、負けて暴れるというカッコ悪いことをしにくくなる。むしろ大きく賭けていいところを見せたい、という心理まで働く。女性店員にギャルモデルなどを揃え客寄せに使っている所もある。闇カジノ店によっては男性スタッフより彼女たちのほうが店では偉いというケースもある」(漆原氏)