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「大人のディズニーランドだと思え」“闇カジノ”顧客リストに記された生々しすぎる“客のステータス”

「闇カジノ」 #2

2021/09/12

genre : ニュース, 社会

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客のステータスを表す4つの呼称

 闇カジノの客構成は意外な比率となっている。全体の50%を占めるのはカタギと呼ばれる通常社会で生きる人たちで、裏社会で生きるヤクザや半グレが25%、風俗や水商売などで稼ぐアングラ系の人物が25%といった具合だ。

「カタギの範囲には、一般企業社長さんから幹部、大手広告代理店、メディア関係者や芸能人なども含みます。もちろん普通のサラリーマンの方も来る。社長さんクラスが15%くらい、部長・課長クラスが15%くらい、あとは有名人とかが数%でしょうか」(漆原氏)

 前回、顧客リストに「小者(コシャ)」と店側からの記入があったことを紹介した。じつは闇カジノでは客の質によって4つの呼称があるという。その一つが「小者」なのだ。

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 以下に闇カジノ業界で使用される、客のステータスを示す4つの呼称について紹介したい。

〈ガジリ〉

 客の最低ランクとされるのガジリである。ガジリは1000円でも3000円でもいいから絶対持って帰ろうという、こすい打ち方をする客を指す。前述したキャッチボールを行うとか、ゲームをしたふりだけをしてサービスチップを換金して帰ろうとする客もガジリとなる。少し儲けただけで短時間で帰ろうとするので、闇カジノでは客として扱われず出禁対象となる。

〈小者(コシャ)〉

 小者は5万~10万円ぐらいしか使わないが、ある程度遊ぶ客を指す。闇カジノ側としては、小者が10人居てくれれば店として盛り上がった雰囲気にもなるので、嫌うことはしない。「ちゃんと遊んでくれるサクラみたいな感覚。昔は30万円のお客さんも小者でしたが、いまは相場が下がった」(漆原氏)

〈中堅〉

 週に何度も来てくれる中堅客を指す。1回の勝負が30万スタートぐらいでマックス200万円くらいを使う。普通のサラリーマンから、中小企業の役員クラス、個人事業主、アングラ系などが多い。

〈ビッグ〉

 上級客、「クジラ(大物)」と呼ぶ場合もある。一晩で1000万2000万円など、次元の違うお金を使う人たちを指す。実はビッグの中にも「ビッグ」、「VIP」、「ハイローラー」とクラス分けがある。「ビッグ」はやたらとお金は使うが人柄はいいとは言えない人間を指す場合が多い。ユーチューバーとかヤカラ系に多い、“金は持っているが素行の悪い”タイプなどがこれにあたる。「VIP」は社会的ステータスがある人、もしくは著名人を指す。「ハイローラー」というのはすべて併せ持った人たちのことだ。社会的ステータスがあり、かつ散財するギャンブル心に溢れる特別な人間をハイローラーと呼ぶ。ハイローラーという呼称は海外カジノ用語から来ている、のだという。

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