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 私もワクワクしていたんですよ。『ホテルローヤル』(集英社)を読んで感激して、直木賞作家に会いたい! というラブコールが実現したんですから。『エロスの種子』でストリッパーを描くときに(「マリーゴールド」第1巻に収録)、桜木さんの『裸の華』(集英社)を拝読して、踊り子たちの世界観を学ばせていただきました。

 そういえばあのとき、「桜木さんはお好きだろうな」と思って、自作の『女衒夜話』(クイーンズコミックスDIGITAL)をお持ちしたんですよね。

桜木 ど真ん中のストライク。好きになりましたとも(笑)。これを読んで、『ブルース』で書いた影山博人のことを思い出しましたから。

二人で雪まつりに行ったりしているうちに…

もんでん 思えば、二人とも、女で身を滅ぼすキャラクターが好きですよね。

桜木 もんでんさんも、私も、滅ぼし続けて、はや50代(笑)。

 住むところも近いので、一緒に食事に行くようになって、二人で雪まつりに行ったり、お酒を飲んだりしているうちに、『エロスの種子』に火がついて大ヒットになりました。

もんでん 「紫乃ちゃん、どうしよう」って相談しましたね(笑)。

桜木 当時既に、大沢在昌さんの『北の狩人』を、『雪人 YUKITO』(ビッグコミックス)として、コミカライズされていたんですよね。大沢さんが「俺のところに結構な印税がはいってくるんだから、もんでんさんはもっとだよな」と笑っていました。

 そりゃ売れますよ、もんでんさんの絵の繊細さは当然のこと、情報量の多い小説を独自の視点で切り取る作業は、みごととしか言いようがないんです。

もんでん 『ブルース』のときがまさにそうですが、原作の小説を自分の漫画に落とし込んでいく作業には、発見が多くて勉強になりました。スピード感と、山を作る場所が小説と漫画は違うんです。原作をシンプルにして、絵になるところを膨らましていく。

 もう一つ言えば、漫画に合った文章というのがあるかもしれないですね。読者にも、漫画の読み方っていうのが染みついていますから、その文法の中で、いかに分かりやすく描くか。私は、読みやすさにはこだわりを持って書いていて、「ここにこれが来たら気持ちいいよね」というコマを描いている。そこに辿り着くには、時間がかかりましたよ。