「主婦ホスト漬け殺害」の“太宰府の女帝”との出会い
中学卒業後は高校には進学せず、仕事もしないで「遊んで暮らした」が、しばらくして鳶職の手伝いをするようになったという。たまたま訪れた久留米の居酒屋にいたのが、「主婦ホスト漬け傷害致死事件」の山本美幸被告(42)=懲役22年の有罪判決、控訴中=だ。
山本被告らによる残虐な事件は、これまで文春オンラインでも繰り返し報じてきた。
2019年9月下旬~10月20日ごろ、山本被告は交際していた岸颯被告(26)=懲役16年=と共に、福岡県太宰府市の自宅などで主婦・高畑瑠美さん(当時36)の太ももをナイフや割り箸で刺すなどし、20日午前4時50分ごろまでに外傷性ショックで死亡させたとされている(1審福岡地裁の判決文)。
山本被告は2008年頃に瑠美さんと知り合い、元々は瑠美さんの実兄の借金を名目に恐喝していたが、2019年8月下旬に瑠美さんを家族から引き離して、岸被告と暮らす自宅に住まわせ、孤立させた。それ以降、誰も見ていない山中や自宅、衆人環視のホストクラブやバーなどで、殴る蹴る、バタフライナイフや割り箸を刺す、火のついたタバコを押し付けるなどの暴行を日常的に加えるようになっていった。
「彼女たちの目的は金でした。マインドコントロールした瑠美さんやその夫ら複数人に対して、未遂も含めて500万円近くが被害額として認定されています」(地元社会部記者)
5月19日に公開した九州3児遺体発見#4では、田中被告が約20年前に山本被告と婚姻関係にあった事実を報じている。世間を震撼させた大事件の犯人らの出会いは、田中被告によると「ナンパですね。向こうから声をかけられました」。
「付き合うことになり、ほどなくして『前に交際していた男に金を貸している。取り返してくれないか』と持ち掛けられました。山本が元交際相手にいくら貸していたのかわからないし、本当に貸していたのかも……。でも自分はその知りもしない山本の元交際相手とその友人から、200万円ほどを脅し取ってしまいました」
その犯行は、「太宰府ホスト漬け傷害致死事件」を彷彿とさせる、残虐なものだった。