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エアコンはどこまで「セルフ」で掃除できる? プロに“限界”を聞いてみた《秋こそ絶好のタイミング》

2021/09/25
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 機種によりやや違いはあるものの、つまるところエアフィルターはエアコン内部を汚さないための大切な砦。そのため、「フィルターの掃除」は、とても大切なのです。

 今や夏の生命線といえるほど身近な家電にもかかわらず、このようなエアコンの冷暖房の細かなしくみについては、あまり広く知られていないようです。そこで、エアコンの内部構造とケアに詳しい、パナソニックでエアコンの商品企画を担当されているエアーマイスターの福田風子さんに、エアコン掃除のポイントを伺いました。

エアフィルター掃除のポイント

「エアコン、その冷暖房機能のメインになる熱交換器は、主に金属でできていて、複雑かつ繊細です。市販のエアコンセルフクリーニング用洗剤の多くはスプレー状になっているものですが、上手に使うためにはいろいろな知識が必要なので簡単なことではありません。さらに、すすぎ切れずに残留してしまう成分によっては、金属を腐食させる可能性があるほか、本体樹脂のクラック(ひび割れ)、基盤部分への水分浸入によるショートなどが生じる恐れがあります。そのため、内部の自己流クリーニングは控えていただきたいです」

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 では、セルフクリーニングの限界であるエアフィルターはどのように掃除するとよいのでしょうか。

「フィルターのケアの頻度の目安は2週間に一度。フィルターおそうじ運転機能がついている場合でも油汚れは落とせないので、特にキッチンにつながっているような部屋のエアコンの場合にはフィルターの定期的な目視が必要です」

エアフィルターのケアの頻度の目安は2週間に1回 ©iStock.com

 メーカーや機種によって扱い方に若干の違いはありますが、概ねフィルターは本体の電源を切り、コンセントを抜いた状態で取り出すことになっています。

「フィルターに付いた大まかなホコリは掃除機などで取ることができますが、細かなフィルターの目に詰まった分は、薄めた中性洗剤液(ぬるま湯)に浸け置いて汚れを浮き上がらせて落とします。柔らかいブラシ等で掻き出し、しっかり水ですすいでからは、きちんと乾かすプロセスが必要です。ただ、この乾燥のさい、ドライヤーは決して使わないでください」