1ページ目から読む
3/4ページ目

 とはいえ、あまりにも長い間掃除をしなかったエアコンなど、フィルターの状態によっては、ホコリや油のベタつきにとどまらず一面に黒いカビが生えフィルターに食い込んでしまっていることもあります。その場合、内部全体の外注清掃は避けられないと覚悟したほうがよさそうです。

 エアフィルターの目よりも細かな塵やカビ胞子などが、エアコンの内部機構にまで入り込むと大事な熱交換器などまで汚れるのみならず、結露による水分と相まって、カビがどんどん発生しかねません。

 最初は目に見えないサイズのカビが、エアコン内部で育ってコロニーになり胞子を飛ばし、冷風と一緒に吐き出され、部屋の中に落ちて殖え、その胞子がまたエアコンに吸い上げられ、内部に入り、殖え……回転し続けます。

ADVERTISEMENT

©iStock.com

 一度エアコン内部にカビが生えてしまうと、ただ風がカビ臭くなるだけでなく、その部屋にいる私たちがカビ入りの空気を呼吸することになり……身体に良いこととはとても言えません。

カビ予防の「現実的な対応」とは

「カビは何より予防が肝心です。でも、カビの要素のうち『酸素』と『気温』は人間の生活条件と被るので避けられません。『栄養(汚れ)』と『水分(結露)』を減らすことが現実的な対応です」

 そのためにはとにかくフィルター汚れをつねに溜めないこと。合わせて、予防に有効なことは、内部の結露を放置しないことだといいます。

「寝室なら使わない昼間。リビングであれば在宅しない時間など、エアコンの運転はいったん止めましょう。そしてその間に、内部クリーン運転を行い、しっかり高温で加熱して水分を乾燥させることで、カビの成長を抑制します」