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 さらにその後、男性からセクハラを受けたことで、自分が女であることを激しく憎むようになった。

 しかしやっと最近、《女性であるがゆえに嫌な思いをしたこと》と、[性自認が中性であること]は、《原因》と[結果]ではないと、整理をつけることができてきた。

©ペス山ポピー(小学館)

ピンクのロリータ服に罪はない

「セクハラしてくる男も嫌だし、性的少数派の私を辱めようとしてきた女も嫌で、自分の体も嫌悪してきました。これまではその全部がぐちゃぐちゃになっていたけど、数年間かけてひとつずつ整理していって区別ができた感じです。

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 女性が全員、私を辱めようとしているわけじゃないし、いい人だっている。それにピンクのロリータ服自体に罪はないし、そのファッションが好みなら着ればいいだけの話。でもそこに悪意が乗っかっていたがために、ずっと女性全員を、ピンクの服を憎むことになってしまった。

 私が自分のことを『女性ではない』と感じる感覚、つまりトランスジェンダーでありノンバイナリーであることと、性差別を受けたことは、まったく別の話だったんですよね。ただそれが同時に、並行して起こっていたんだと、今はわかります」