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「芸能界を辞めようと思っていました」人気絶頂でレギュラー降板…加藤晴彦が初めて明かす“20年前の真相”

加藤晴彦さんインタビュー #2

2021/10/09

――そうしたことで、さらに心が削られたりもしますよね。

加藤 人前に立つ分、この仕事って普通の人に許されていることが許されなかったりする部分もありますよね。それをよく「芸能人なんだから、有名税じゃん」って言う人がいるけど、一方で何かあると「同じ人間じゃないか」って言われることもあって、「どっち?」って思います。

 

 でも、それこそネットでの誹謗中傷なんかは、いま問題になっていますよね。ああいうことを書きこむ人は、本当に責任を持ってほしいと心から思います。それがどんなに人を傷つけることか……。見えないところから石を投げてるだけだと思ってるかもしれないけど、投げられた方は確実に当たってるわけだから、どんどん傷が深くなっていくんですよ。芸能界もスポーツ界もそうだし、どこかの企業の社長さんだって、みんな普通に生活しているんだから。なんでそんなに理不尽な悪口言うのって思います。

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結婚を機に見つめ直した「足りない部分」

――20代後半で仕事のやり方を見直した後、30代後半での結婚も一つの転機になりましたか?

加藤 結婚前後でも「一回ゆっくりしよう」じゃないですけど、やっぱりさっき言ったような、僕に足りない部分だとか、自分の中で失っている時間みたいなものは意識しました。とくに結婚はひとりの問題じゃない、というのがあって、子供ができてからは、これで父として何もしてやれなかったら、俺は結局なんなんだと……。だから、家族の存在は本当にありがたいですね。

――ただ、それは「仕事を休みます」という話ではなくて、これまでは仕事6、家庭4だった生き方を、今は仕事4、家庭6にしてみよう……といったことですよね。

加藤 そうです、そうです。だから、これでもし3年後にまたガツガツ仕事していたとしたら、「あんなに言ったのにやってんじゃん!」と周りは言うかもしれないけど、そういうことじゃないんですよ。僕の中では別にどっちでも……人生のトータルで考えているということなんです。仕事も家庭も、どっちか一個でも欠落しちゃうとダメなので。もちろん、周りから見たら僕の家庭のことなんか見えないわけなので、仕事の面しかわからないとは思いますが、僕の中では常にその配分の問題で、バランス良くやっているだけなんですよ。

 だから、何が大事かと言われたら、全部大事なんです。その上で心が健康であれば……それがまず、一番ですよね。

 

#3へ続く

撮影=二塚一徹

加藤晴彦(かとう・はるひこ):

1975年5月生まれ・愛知県出身。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞を受賞し、1994年ドラマ『アリよさらば』で本格デビュー。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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