普通だと、せいぜいヒノキとトチがあって……くらいだと思うんですが、玄人畑にもう一歩踏み込むと深いんです。だから最近は、お店に行ってカウンターの木とかを見ると、こうね、さすっちゃいますもん(笑)。木の話なら、YouTubeぐらいやってもいいかなと思うくらいで。
興味の“その先”へ行ける楽しさ
――「木」のYouTubeって斬新ですね(笑)。
加藤 今までは何かに興味を持っても、その先まで行く時間がなかったんです。それはたぶん、僕の中では本当に足りなかった部分で。でもやっと、自分の興味が向いた方へ自由に行けるようになったんだなって思います。あっちも行けるし、こっちも行けるんだということを、今、すごく楽しんでます。檻の中にいた動物が解き放たれた、みたいな感じですかね。
――そういうことが出来る環境になってきた、と。
加藤 そうですね。それが先々、どうなるかはわからないです。別にどこかに向かっているわけではなくて、今、ここが気持ちいいから、それを楽しんでいるというだけなので。
でも、この考え方は昔からブレないんですよ。まずは今と、そのちょっと先ぐらいのことを大事にする。これが川だったとしたら、今のこの揺らぎを十分に楽しみたいんです。それで、また違うところに行きたくなったら、そこに行ってみればいいだけだと思うんです。
撮影=二塚一徹
加藤晴彦(かとう・はるひこ):
1975年5月生まれ・愛知県出身。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞を受賞し、1994年ドラマ『アリよさらば』で本格デビュー。
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