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 特に人気なのが、デビュー当時センターだった中島と、人気と努力により下剋上してセンターを勝ち取った山田のギクシャクした関係を経た「山田涼介×中島裕翔(やまゆと)」のシンメ萌えだろうか。『SUPER DERICATE』のサビには2人の絡みがあるのだが、テレビ番組で披露するときに比べ、コンサートでは通常より濃厚な絡みをたっぷり見せてくれる。これは当然、BL的鑑賞を楽しむファンの期待に応えているのだろう。

山田涼介 (Johnny’s netより)

「BLノリはみんな計算してやっています」(元Jr.)

 ちなみに、『サイゾーウーマン』(2017年7月17日)では、【元Jr.独占手記】の中で元ジャニーズJr.がこんな発言をしている。

「最初に断言しておきますけど、ワチャワチャというか、BL(ボーイズ・ラブ)っぽいノリは、みんな計算してやっています。そうすると、ファンが沸くというのをわかった上で、ちゃんと意識して“営業”してるんです」

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 そうした流れを経て、さらに本格的に「BL売り」「腐売り(腐女子、BL好きな人が好むような発言や行動をわざとすること)」を始めたのが、おそらくKing & Princeだ。

 2020年のネットへの書き込みには「ジャニオタの腐売りって何ですか」といった質問や、解説が多数見られる。特に神宮寺勇太と岩橋玄樹の「じぐいわ」はあからさまで、「チューやイチャイチャ、抱きつきは当たり前」と言われていた。じぐいわを検索すると「駅でキス」「いちゃいちゃ」などが関連キーワードとして出てくるばかりか、「じぐいわ チュー」を検索すると多数の画像があがってくる。

「腐売り」への不評と凄すぎる「宮玉」

 この2人のイチャイチャに盛り上がるファンは大量にいたが、その一方で、「腐売り」を嫌うファンも少なくなかった。何故なら“BL的鑑賞”の楽しみ方は、彼らが普通に過ごす様子の中からチラリと垣間見える「あれ? この2人……」と感じさせる特別な距離感を目ざとく勝手に見つけ、細々と拾い上げ、それらをつなぎ合わせて読み解き、分析するものだから。「こういうの、萌えるんでしょ」「こういうの、ファンは喜ぶんでしょ」と提示されると萎える、という層も少なくないのだ。

ドラマ『BE LOVE』で恋人役を演じた「宮玉」 (公式サイトより)

 ジャニーズの腐売りに違和感を持つファンが増える中、驚きをもって受け入れられたのがKis-My-Ft2の玉森裕太と宮田俊哉、いわゆる「宮玉」だ。

 Kis-My-Ft2自体の空気感はクールなため、彼らのガチの仲の良さが際立った。主演した玉森の肉体美が目玉だった舞台『DREAM BOY』では肉体改造のために毎日一緒にジムに通っていたし(宮田は脱がないのだが)、グループで取材を受ける際にも現場に一緒に来て一緒に帰っているのが“通常営業”だ。