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 2015年のライブツアーでは「結婚式」を挙げ、『BE LOVE』というユニット曲を披露。2人のシャワーシーンが収録されたコンサートDVDを発売している。

 さらに“結婚生活”3年で死別し、2018年に星になった玉森を宮田が想い、玉森はそんな宮田を空から見守るという曲『星に願いを』を発表。2020年には玉森の死後、玉森と似た人と深い関係になった宮田に玉森が嫉妬を抱き、怒りの炎を燃やすという曲『運命』も発表し、それらの世界観をドラマ化した2人のドラマ『BE LOVE』がdTVで配信された。

「BE LOVE」は清々しいほど異次元の“腐売り” (公式サイトより)

 ガチの仲の良さに加え、清々しいほどの異次元レベルでの“腐売り”。ジャニーズとBLがより一層近づく契機となり、ジャニーズファンだけでなく、BL界隈からも注目されるようになったのだ。

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ジャニーズ随一の「BLの帝王」激しい濡れ場に称賛の声

 ちなみに、近年、ジャニーズのBL参戦として衝撃が走ったのは、2020年に公開された大倉忠義主演の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』だろう。原作は水城せとなによる超人気BLマンガだ。映画化が発表された際には、「ジャニーズがBL参戦って……」「『OL(おっさんずラブ)』以降、BL作品出演=人気と思っているのかな」などと原作ファン、ジャニーズファン共にその戦略を訝しむ声もあった。

 ところが実際に公開されると、そんな声は消し飛んだ。軽いキス程度だと想像された絡みはかなり濃厚で、ディープキスから始まり、男女双方との裸体をさらしてのねっとりした濡れ場の数々が上映された。大倉の意欲的な体当たりぶりには「現役アイドルが良くやった!」と称賛する声が多く、繊細な演技には役者としての新境地が感じられた。

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』

ジャニーズとBLの距離はますます近く

 ちなみに、大倉は主演舞台『蜘蛛女のキス』(2017年)で“BL”は経験済みだ。彼が演じた革命家のバレンティンは、渡辺いっけい演じる同性愛者の囚人モリーナと徐々に心を通わせ、禁断の愛に踏み込んでいく。その後の『窮鼠~』の流れにより、大倉は一部ファンの間で“BLの帝王”ともあだ名されている。

 秋ドラマ『消えた初恋』は、こうしたジャニーズにおけるBL売りの試行錯誤の歴史の末に放送される。本作にW主演する目黒蓮と道枝駿佑に、それだけジャニーズ事務所が並々ならぬ期待を持っているということだろう。ジャニーズの別グループのメンバーが“BL作品”に出演するのは、『同窓会』以来なので約30年ぶり。『消えた初恋』でジャニーズとBLの距離はますます近くなっていくことだろう。