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その時代を表したコレクション

――わざわざ組み立てたんですね。

セーラちゃん そのままだとトラックに載らないんですよ。大仏はトラック8台。御輿は1台でなんとかなったけど、そのままじゃ載らないですよね(笑)。

東京藝術大学の学生が作った巨大な牛頭馬頭御輿 ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

――ご自身が集めたものだけではなく、寄贈品も多くあるのですか。

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セーラちゃん 1%以内ですけどね、寄贈品は。「昭和のメルヘン・おばあちゃんの部屋」という部屋があるんですけど、あの部屋にあるものは全部、愛知県の方が、「おばあちゃんが亡くなったので、60年集めていたおばあちゃんのコレクションを引き取ってください」ということだったので引き取りました。

昭和のメルヘン・おばあちゃんの部屋 ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

 近所のおもちゃ屋さんで買っていたから高いものはなかったと思うんですよ。おばあちゃんの小遣いだから。だけど、普通の人にとって思い入れのある、どこの家にもあるようなものがいいんですよ。どこの家でもあったようなものが、実はみんな求めているんだろうなって。だからどれがすごいってことはないと思いますけど、その時代を表したコレクションがあるというのがすごいと思いますね。

どんどん現実の社会のように進化して変わっている

――館長のセーラちゃんが一番お気に入りの展示物はなんでしょうか。

セーラちゃん よく言われるんですけど、ないんですよ。その時は全部それが面白いと思って(博物館を)作ってるんですけど、それが出来上がってしまったら忘れちゃうんです(笑)。済んだことになんの興味もないんです。やったら終わりっていうことで、1年前のこともまったく興味がないし、語ったところで変わらないので。考えてもしょうがないと思うんで。今やってることと、これからやること以外は興味ないですよね。

©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

「まぼろし博覧会」はどんどん現実の社会のように進化して変わっているんですよね。普通、博物館ってそんな変わらないですよね。展示物入れ替えるくらいだけど。進化なのかよく分からないけども、時の流れとともに朽ちるものは朽ちて、消えるものは消えて(笑)。次に狙っているものも特にないですね。