「入って5分で精神崩壊する」とネットで話題の静岡県伊東市にある私設博物館「まぼろし博覧会」。館長を務めるのが、セーラー服姿の謎の人物、セーラちゃん。
セーラちゃんは館長として務める傍ら、実は東京にある出版社の社長という顔も持っているという。なぜセーラー服姿なのか、館長と社長の二足のわらじについて話を聞いた。(全2回の2回目。前編を読む)
◆ ◆ ◆
面白ければいい、お客さんが喜んでくれれば
――なぜセーラー服姿なのでしょうか。
セーラちゃん 6年くらい前の夏に“セーラー服のおじさん”という方が突然来られたときに、「あ、セーラー服着るのもアリだ」と思って。人形に着せるやつをいろいろ持っていたので、それを着て(来館者の前に)出てみたんですね。そうしたらTwitterで「セーラちゃん」と呼ばれるようになってしまったので、「あ、これはやるしかないか」って(笑)。
女装趣味というよりは、面白いことをしたいというのはあります。ですから、あまりタブーはないんですね。面白ければいい。お客さんが喜んでくれれば、それでいいなと。人に迷惑をかけるわけじゃないし、危険なわけでもないし。
――来館者に楽しんでもらいたいという想いからセーラー服を着るようになったのですね。衣装は何着くらいお持ちなのですか。
セーラちゃん 200着くらいあるんじゃないですかね? たぶんビキニだけで30着とか。いただいたものもあるし、お客さんに。「太ったから着れなくなったからあげる」っていうのもありました(笑)。セーラー服も種類が少なくて飽きちゃうんで、いろんなもの着るようになりました。
ビキニを着ることに抵抗感は全くない
――お客さんからいただくこともあるんですね。
セーラちゃん あります。なんでも着ます(笑)。
――夏はビキニ姿になることも多いそうですが、ビキニを着ることに抵抗感はないですか?
セーラちゃん まったく。最初から恥ずかしくないです。たぶん日本で、男性でビキニ焼けしてる人って他に1人いるかいないかだと思うんですよ(笑)。
どうやって(博物館の名前を)売るかと言ったら、努力しても大変だし、勝手に焼けるようなビキニ焼けなんて、それで話題になったりするでしょう? 何の努力もしないでしょ、焼くのに。だからスーツを着ている時点で戦えない。カッコつけたら負け。人にどう思われるかなんて考えるから恥ずかしい気持ちが出るんでね。関係ないですもんね。何か人に評価してもらおうと思って服を着てるわけじゃないし。やってることも自分が楽しいか、満足できるか、成長するか以外に何も評価、基準はないんですよね。
――ビキニ焼けも話題になると。
セーラちゃん そうです。ネタです。だから見せて「はい、300円」って。もらわないですけど(笑)。