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「日本の男性でビキニ焼けがあるのは私ぐらい」出版社の社長が200着のセーラー服とビキニを“着こなす”大人の事情

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「まぼろし博覧会」館長・セーラちゃんインタビュー#2

来てもらった方はみんな友達だという感覚

――毎回、全速力で走って疲れないですか?

セーラちゃん 疲れます(笑)。転びかけたことも何回もあります。コンクリートで転んだら痛いので。他にも車で通る方が「セーラちゃん!」って声をかけてくれます。そうすると飛び出さなければいかんのです。でも楽しいですよ。

 来てもらった方はみんな友達だという感覚でやってます。Twitterで絡んでこられた方もみんな友達。全ての人が友達だと思ってます。

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――10月2日にセーラちゃんの写真集、「セーラちゃんPremium写真集」も発売されたそうですね。

セーラちゃん 「セーラちゃんの写真がもっと見たい」と言ってくれるお客さんがたくさんいて、「だったら写真集を出そう」ということで作りました。メイクに1時間くらいかけて、プロのカメラマンさんに撮っていただきました。今は「まぼろし博覧会」の売店と通販で販売しています。全裸ギリギリの写真もありますよ(笑)。これからもいろんなことに挑戦していきたいと思っています。

10月2日に発売された「セーラちゃんPremium写真集」

――実はセーラちゃんは「まぼろし博覧会」の館長を務める傍ら、東京にある出版社の社長もされているそうですね。

セーラちゃん はい。もともと出版やりたいわけじゃなくて、たぶん出版しかやることがないだろうなと思って始めたんですね。お金がなくてもできることが出版だって。影響力もあるし。それで出版社を始めて40年近くやってますけど、21世紀になってから情報の独占化が始まっちゃうと、どんなに面白い本を出しても、以前は紹介してくれて話題になったんですけど、紹介もしてくれない。そうすると、ここ(出版業界)は戦う場じゃないなと。

“館長”と“社長”二足のわらじの苦労

――そういった経緯もあって「まぼろし博覧会」を作ったということですか。

セーラちゃん ここでやっていたらみんな見てくれるので、大衆の前で宣伝ができるじゃないですか。動く宣伝ができる。だから(「まぼろし博覧会」は)お金がなくても組織がなくてもできることかなと思います。

 出版は売れたら嬉しいけど、(お客さんが)本当はどう思っているかわからない。良いかどうかはお客さんが決めることですよね。「まぼろし博覧会」でお客さんと接していると笑顔があるからわかる。だから楽しいですね。

出版社の社長という顔も持つセーラちゃん ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

――館長と社長、二足のわらじで苦労したことはなんでしょうか。

セーラちゃん (東京から伊豆までの)移動ですね、やっぱり。2時間かかるので。伊豆にずっといたら365日お客さんと接することができるけど、できないじゃないですか。そういうことはありますね。二足のわらじと言っても “企画”という意味では(出版と)一緒なんですけどね、やってることはほとんど。ただお客さんと付き合うことが違うだけです。